ぜんぶ枯渇してしまったでござる


マグロは泳いでいないと死ぬ


初めてそのことを教えてもらったときは「泳いでないと死ぬなんてそんなことあるわけないだろ...」と鼻で笑ったのですが、調べてみるとこれは本当の話だそうでして、泳いでいないと酸素を十分に取りこむことができないので死んでしまうそうです。泳ぎ過ぎて疲れて死ぬならまだしも、泳いでいないと死ぬって意味不明過ぎるよと頭を抱えてしまいました。ほんと意味が分かんなかったです。


この話を初めて聞いたときから10年以上経ったいま、改めてこのマグロの性質を思い出してみるとまったく意味のわからない話ではないしむしろ分からなくもないなと考えが大きく変わっていて自分でもちょっと驚いています。といっても私はマグロではありませんので泳いでいなくても死なないし、そもそもまったく泳げないのでいますぐ泳げと言われたらそれこそそのせいで死んでしまいそうです。
溺れるわ...。


さて。

わたしがこのマグロの性質に違和感をおぼえなくなったのは、人間も生きるためには何かを続けなければならないということを知ったからです。多くの人が生きるために続けるのは「働くこと」だったり「家族や社会との関係維持に努める」ことだと思いますが、結局は人もマグロも生きるために続けなければならないことがあるということであり、本質的な部分では変わらないということはよく分かりました。


ただし、何かを続けるというのはお察しいただけると思いますが大変パワーのいることです。
そしてこの大事なことをずっと続けるためにはそれを維持するために必要なエネルギーを何かから生み出したり補給したりしなければならないのですが、わたしは幸いなことにこの補給方法について悩んだことがほとんどありませんでした。ゲームだったり読書だったり走ることだったり映画だったりとわたしに生きるエネルギーを補給する手段はさまざまありました。


ところが、ここしばらくわたしの中からいろんなことを続けるために必要な栄養がぜんぶ消えてしまっているようでそのことに自分でもすごい戸惑っています。そのことに気付いたのは先週末の耐久マラソンの前くらいだったと思うのですが、いままで持ち続けていた仕事や映画や走ることに対するモチベーションが根こそぎ無くなっているのを感じました。


特に仕事に対しての熱意がまったく失われてしまっていまして、おもしろいアイディアのひとつも思いつかないし作ることにも集中できないありさまです。仕事がそんなありさまだと映画もマラソンも楽しめなくなってしまいます....。完全に悪循環です。


このままだと泳ぐこともできず、ただ朽ちるだけということにもなりそうでとてもブルーです。