「魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語」 / 「魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語」見たよ


ごく普通の中学2年生として平和な日々を送る鹿目まどか(声:悠木碧)は、ある夜、傷つきながら戦う少女と、不思議な生物の夢を見る。翌朝、まどかの中学へ転校してきたのは、夢で見た少女と瓜二つの容姿をした暁美ほむら(声:斎藤千和)だった。偶然の一致に戸惑うまどかに、ほむらは意味深な言葉を投げかける……。

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語 | 映画-Movie Walker

キュゥべえと契約し、魔法少女となったさやか(声:喜多村英梨)は、信念を貫き他人のために戦おうと決意するが、無茶な戦いに身を投じ、破滅へと向かっていく。雨の中、しめやかに行われたさやかの葬儀。うつろな目をして家に戻り、自分の部屋で一人悲しみに暮れるまどかのもとに現れたのはキュゥべえだった。

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語 | 映画-Movie Walker

(注意)
本エントリーでは作品の内容に触れている部分があるので、未見の方はご注意ください。


MOVIX宇都宮で観てきました。

本作品「魔法少女まどか☆マギカ」は昨年深夜アニメとしてTVで放送されていた作品でして、ふだんからアニメを観る習慣がない私ですらその作品の名前や一部のキャラクター(キュウべえ)については知っているほどの人気作品でした。もともとアニメにはあまり興味がなく、さらに絵もわりと苦手な感じっぽかったので楽しめるのかどうかと身構えながら観に行ったのですが*1、その不安は杞憂に終わりまして楽しんで鑑賞できました。

独特の世界観もよかったし、その変わった世界観にも違和感なくのめりこめるストーリーテリングのうまさには感心しっぱなしでした。
さらに出てくるキャラクターはそれぞれが区別可能なほどに個性的な上にいずれもとてもかわいらしく、さまざまな人の嗜好にこたえられる網羅性を確保しています。世間的にはほむらちゃんが人気のようですが、わたしはマミさんがすごく気に入りました*2


というわけで、今回映画を観たことでTVで放映していた当時あれだけ人気があった理由が分かった気がしますし、これはすごい作品だなという思いをあらたにしました。目立った欠点や隙のないとてもよくできた作品でした。


さて。

まずは全体の構成についてですが、映画は基本的にTV版をベースに再構成された内容となっているようでして、前編はTV版の1〜8話を130分の尺にまとめた内容、後編は9話以降をベースに大きく再構成した内容となっているそうです。私はTV版は観ていないのでTVとどう違うのかは分かりませんでしたし、特に大きな再構成がなされたという後編についてはどう変わったのかはまったく分かりません。


ただ、前編は200分以上の内容を130分に凝縮したためか内容がかなり端折られたことをうかがわせるような情報の欠落を感じさせる部分がありましたし、そういった情報不足が作品に物足りなさを感じさせていたように感じました。もちろん情報が足りないとは言え、脳内補完可能な程度ではあるのでTV版を観ていなければ観ていて分からなくなるというほどではありませんでしたが、そこに空白が見えてしまっているのはいただけないなと感じました。おそらく前編はTV版を見た人の復習用としての位置づけになっているのでこうしているんだと思いますが、もう少し長くてもいいからいちいち補完しなくても観られる程度にまとめて欲しかったです。


そしてストーリーについてですが、こちらはもう言うことなしでおもしろかったです。

何でもひとつだけ望みをかなえてくれるという希望の塊のような存在だったキュゥべえの本当の狙い、もしくは魔法少女というのがどういう存在なのかその位置づけがわかったときに受けた衝撃の大きさは、この作品のストーリーがとてもよく練られていることをあらわしています。観ていてここまで見事に予想を裏切られたというか、予想のつかなかった話はひさしくなかったしその意外性がとても気持ちよく感じられました。

その意外性も、ただ話をちゃぶ台返ししたわけではなく冒頭からいくつもの予防線を張って起きつつのちゃぶ台返しなので、予想もつかなかった方向から思いっきり話をひっくり返されても必ずそこには受け入れざるを得ないだけの複線が張られているので納得せざるを得ないのです。
たとえばこの作品のラストには賛否があるでしょうし、わたしは「理解はするけど納得はしたくない」と思っているのですが、そういった個人的な意見の表明はあえてするものの、作品がこの方向で決着をつけようとすることは受け入れられるように描かれていてそこがすごくいいなと感じました*3

この作品だけを見てアニメをもっと観てみたい!という気にはさすがになれませんが、でも「この世にはここまでおもしろいアニメがある」という事実がわたしに与えたインパクトはかなり大きくて、一度深夜アニメを見てみようかなという気にはなりました。


そういえば、この作品がおもしろかったので帰ってきてからいろいろと調べていたのですが来年早々にも叛逆の物語というタイトルで新作の映画が公開されるようです。新しいのを観る前にできればTV版を観るか劇場版をもう一度観てみたいなと思っているのですが、この時点でもうかなりハマっているような気がしてきました。


公式サイトはこちら

*1:じゃあなんで観に行ったんだと言われそうですが、近くでやっている映画はとりあえず全部観たい派なので

*2:と書いてて気づいたのですが、マミさんって中3なのでまだ15歳なんですよね...。

*3:タイムリープの件のような納得出来ない件もありますが、でもフィクションなんだしおもしろいしそれでもいいじゃんと思えるくらいに作品に魅力があったことも大きかった気はします