Galaxy Tabを使ってみての感想

昨年末に3年ぶりに携帯電話の機種交換をしてGalaxy Tabを手に入れたのですが、ネットでは「スピーカーフォンは話しにくい」「耳に当てて電話している姿を見られるのが恥ずかしい」「iPadに比べると小さくて操作性/使い勝手がよくない」という意見や、「Samsungだから日本じゃ売れない」「キムチ携帯(←これは面と向かって言われた)」なんていう言いがかりにも似た酷評を受けています。
もちろんすべてを言いがかりと言って切り捨てるようなことはしませんし、好意的な印象をもって触っているわたし個人としてもまだまだ改善の余地はたくさんあると感じていますが、反韓感情や韓国製品への不信感からなのか、どうしてもGalaxy Tabについては悪い部分ばかりが取り沙汰されがちでして比較的ネガティブな印象をもっている人が少なからずいるようです。そして元々あまりよくない印象を持っていた人が、悪意をもって書かれた記事を読んで同意してしまう→悪い印象が根付く→...という負のスパイラルに陥っているようにも感じています。そしてそういった偏見から、一度もGalaxy Tabに触れることなく「これはよくない端末だ」と多くの人が思ってしまうことは、本当はそうではないことを知っているわたしにとってとても残念なことだと感じました。
本エントリーはそういった点を払拭するきっかけになればいいなと思い、書くことにしたのです。

そんなわけで、基本的な姿勢としてはGalaxy Tabに好意的な視点のエントリーとなりますのでそのつもりでご覧いただけると嬉しいです。

1. 外観


外観は以下のとおり。


素敵過ぎて30秒以上直視できません。


2. スペック

ハードウェア的なスペックを中心にまとめます。
ただ列挙するだけであればこれ以上にちゃんとまとまったサイトがありますので、ここでは購入の際に比較されがちなiPadと比べてどうなの?という点に着目してコメントしたいと思います。

  OS ディスプレイ バッテリー 軽さ
Galaxy Tab Android 2.2 ワイドSVGA TFT 7インチ 約14時間(4000mhA) 382g
iPadとの比較 △(小さい) △(iPadは約10時間だが6600mhA) ○(iPadは700g)

iPadと比較した場合、バッテリー駆動時間や重さについてはGalaxy Tabの方が優れています。
また、画面サイズについてはGalaxy Tabの方が2回りくらい小さいのですが、これをコンパクトで持ち歩きやすいと感じるか、小さくて見にくいと感じるのかは価値観によって異なりますので、優劣はそれによって異なります。ちなみに私は持ち歩きやすいことが大きなメリットであると感じたのでiPadよりもよいと評価します。



3. 触ってみてのファーストインプレッション

  • 良いと感じた点
    • 7インチサイズは持ち歩きやすい
    • スマートフォンよりも画面が大きいため、文字が見やすく操作しやすい
    • バッテリー駆動時間が長い(普通に使う分には充電無しで2日は使える)
    • docomoの3G回線網が使える
    • マルチタスクである
  • 悪いと感じた点
    • 初見では分からない操作が多い(スリープの解除)
    • スピーカーフォンだと電話がしにくい
    • ソフトウェアキーボードの反応がiPadよりも劣る
    • ハードウェアボタンの配置があまりよろしくない(間違って押してしまうことが多い)


第一印象としては非常に持ち歩きやすく、操作性のよい端末であると感じました

4. 個別機能ごとの感想

(1) バッテリーについて → ○
バッテリーの容量は4000mhAとiPadよりも小さいのですが、ディスプレイサイズが小さいためにiPadと同じかそれ以上にバッテリー駆動時間は長くなっています。日常的な使い方(メールの送受信や30分程度のブラウジング)をしている場合には2日〜3日は充電をせずに利用することが可能です。ただし、GPSWiFiを有効にするとバッテリーの消費が一気に進むのでそのあたりを使わないときは外す等の配慮は必要です。

(2) ソフトウェアキーボードについて → △
ソフトウェアキーボードの感度についてはiPadよりもやや劣りますが、日常利用においては実用的なレベルにあると言えます。ただし、会議の議事録を取ったり出来るほどではなく、あくまで個人利用の範囲に限定した場合です。メール、twitterくらいだったらいいけど、ブログは書きたくないレベルです。
Galaxy Tabのキーボード特有なのか、それともAndroid共通の機能なのか分かりませんが、キータッチするたびに本体のバイブレーション機能が動作して押されたことへのリアクションとなっていますがこれは非常に面白くてよいです。押すたびにブルブルするのは楽しい!!

(3) 標準ブラウザについて → △
標準ブラウザとしては「Mobile Safari」が搭載されています。最大6つまでのタブを同時に開くことが出来、動作も非常に快適です。

(4) テザリングについて → ○(△)
標準機能としては利用できませんが、本体にはその機能が搭載されています。これを利用するためには、
Androidマーケットで「Mobile AP Shortcut」というアプリケーションをインストールすることで対応可能です。この機能自体はとても便利でして、停電時にはこれとノートPCを組み合わせて使えばとりあえずネットにはつなげることが出来ます。ただし、この機能を使うとその後このAPを止めてもしばらくGalaxy Tab自体が3G回線につなぐことが出来なくなる場合があります。いろいろと試した限りではとりあえず再起動すれば直ることはわかったので回避策がないわけではありませんが、再起動に時間のかかることを考えると正直とても面倒です。
というわけで、機能があること自体は評価したいのですが、使い勝手のいまいちさを考慮するといいことばかりではないような気がします。

(5) ディスプレイについて → ○
7インチサイズのディスプレイはiPadと比べると一回り以上小さく見えますが、それでも文字の読みやすさや操作性はまったく損なわれておらず、非常に快適に利用することが出来ます。ただ、小さい分、操作性(キーボード入力やタッチ精度)はiPadに分があります。

(6) 通信回線について → ○
Galaxy Tabに限定したことではありませんが、docomoの3G回線は高品質でサービスエリアも広いため、とても快適に利用できます。一番驚いたのは東北新幹線で宇都宮から仙台に向かった時に一度もネットワークが切れなかったことです。途中トンネルも多いのですが、そういったエリアであっても通常の利用が継続できるのは非常に大きなメリットであると感じました。

(7) 充電機能について → △
充電自体はUSBインターフェースを介しても実施できるようにはなっているのですが、バッテリーが大きいため、専用のコネクターを利用して2Aで充電できるようにしなければGalaxy Tab上からは充電しているとは認識されません(ただし、その場合も充電自体は少しずつされているようです)。

(8) HTTPプロキシについて → ○
Wi-Fiのアクセスポイントごとに設定出来ます。
他のAndoroid端末すべてでこの設定が出来るわけではないことや、Galaxy Sにも同様の設定があることから、Androidの設定ではなく、Samsungdocomoによる機能拡張であると推測されます。

(9) スタイラスペンについて → △
反応が取り立ててよいわけではありませんが、iPadで利用してたペンは使うことが出来ました。
同じ静電容量式だから当たり前...と思う人もいるかもしれませんが、前に会社で買ったONKYOのスレートPCは静電容量式でありながら反応が悪すぎて実用できないレベルでした。それに比べたら雲泥の差です。AカップとEカップくらい違います。

(10) サイズについて → ○
7インチサイズ最大のメリットは持ち歩きやすいという事です。iPadだと大き過ぎて持ち歩くのも躊躇してしまうのですが、Galaxy Tabであれば持ち歩きも容易ですし、使いたいときにすぐに取り出すことが出来ます。
画面の大きさが小さいと感じる人にはその点がデメリットとして感じるかも知れませんが、スマートフォンよりは格段に大きくて見やすく、そして操作しやすいと感じました。
日常的に持ち歩くという用途で考えれば7インチは非常に適切なサイズであると思います。

5. Galaxy Tabを持って気になった出来事

(1) タッチセンサーキーについて
よく指摘される事項の一つなのですが、タッチキーセンサーのバックライト点灯時間の既定値は長くありません。そのため、暗いところで触っている時にちょっとタッチせずにいると、タッチキーセンサーのバックライトが消えてしまい見つからなくなってしまい困ることがありました。
バッテリーの消費量を抑えているというメリットは大きいのですが、それにしても使いにくいです。
設定でバックライトの点灯時間という項目があったのでそれを延長してみましたが、画面のバックライト点灯時間はのびたもののタッチキーセンサーについては相変わらずあっという間に消えてしまいます。

暗いところで使うと目が悪くなるから辞めた方がいいよ!というSamsungの優しさかも知れませんし、慣れてくると光ってなくてもどこらへんにキーがあるのかわかる超能力が身につくので慣れの問題と言ってもいい次元の問題のようにも思います。

(2) ハードウェアキーの配置が微妙
わたしはGalaxy Tabをケースに入れて持ち歩いているのですが、ここから出そうとしたときに電源スイッチを長押ししてしまい、電源を切る画面が表示されてしまうことがよくあります。頻度で言えば、1日4回以上は間違いなく同じ過ちを犯しています。
持たないと取り出せない位置にハードウェアキーが配置されていることがよくないのか、それともケースがよくないのかは議論の分かれるところでしょうが、わたしはキーの配置が良くないと思っています。


ちなみに普段は着信音は止めてバイブのみにしているのですが、このケースに入れていると震えているのかどうかがあまり分かりません。そのため、電話やメールに気付くのがいつも遅くなってしまい、場合によっては着信のあった3日後に不在着信に気付くということもあります。
元々、携帯電話を持ち歩かないことが多かったのですが、今回大きくなったことでその傾向に拍車がかかりつつあります。7インチは軽いとは言え、重いし邪魔気軽に持ち歩くにはやはり大き過ぎます。この間、横浜に行ったときにはホテルのフロントでチェックインした時にそのままフロントに置き忘れるという失態を演じてしまいましたが、これはわたしの潜在意識の中に「あまり持ち歩きたくない」という考えがあったことを示唆しています。
コート以外、どの服のポケットにも入らないしね....。

(3) 話題になる
Galaxy Tabを持っているが「あー、それ渡辺謙がCMやってるやつだよねー」という話題がかなり高い確率で発生することが予想できるため、会話のネタとしてとても活躍してくれました。Galaxy Tabの物珍しさ(あまり売れていないおかげ)もあって初対面の人と話すのは大変苦手なわたしには大変重宝しました。
ちなみに、docomoのCMについては瀬戸朝香が出ているものよりも朝倉あきが出ている方が好きです。朝倉あき超かわいい。健康的なプニプニ感がすごくキュートでラブリーです。LOVE涙色!

(4) 全部の文字がハングルに文字化け
一度だけ、OSが固まった時に文字全てがハングルになるという貴重な体験をしました。WindowsでOfficeを使っていれば、特定の文字がハングルに文字化けする経験はさほど珍しくもないのですが、OS含め全部がハングルになったのは初めてでしたし、あの異世界に連れ出されたようなドキドキ感はなかなか新鮮でした。

6. まとめ

Galaxy Tabは買いなの?」という質問をたまにされますが、「YES!!高須クリニック!!」と満面の笑顔で答えています。まあ高須クリニックというのは嘘ですが、買いなのは本当です。
しかも、私は発売当初に買ったのですが今はその時よりもかなり安く買えるわけですから買わない理由がないというか「何でおれが買った翌週に値下げ発表すんだよ!docomoのバカ!!」という気分で胸がいっぱいでご飯ものどをとおりません。docomoが悪いのか私の買ったタイミングが悪いだけなのかは判断が難しいところですが、でもdocomoの安易な値下げが私のナイーブな心を傷つけたことは間違いありません。いつかdocomoから乗り換えてやろうという思いを秘め始めて早10年。他のキャリアがいまいちだとか電波がどうだとか言い訳をしていまだにdocomoへの宮仕えを止める気配がないあたり、"口だけ星人"と呼ばれるにふさわしい行動力の無さを体現しています。さすがおれ。
まあそんなのはどうでもいいんですが...。

とりあえずdocomoへの不信感や怒りをさておけば、Galaxy Tabがすぐれたタブレットであり今一番持つべきスマートフォンであることはゆるぎない事実であると確信しています。製品としての完成度で言えばiPhone/iPadの方が優れていると思いますし、それについては両方とももっているわたしが保証します。iPadはとにかくすばらしい製品です。ですが、使ってみて便利で面白いと感じたのはGalaxy Tabの方でしたし、使い始めて4か月近く経った今でもその気持ちに変わりはありません。もしこれに異論を唱えたい人はその異論をまとめた上でぜひコメント欄に名乗り出てください。


ただし言いがかりのような内容だった場合には、満員電車の中で急にお腹が痛くなる呪いをおかけしますのでご注意ください。