人類滅亡後の未来。背中に1から9までの番号を付けた小さな麻の人形たちは、破壊兵器と化した機械との戦いを続けていた。しかしある時、“ザ・マシーン” と呼ばれる最強の世界が目覚めてしまう――。ティム・バートンがプロデューサーとして参加し、アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされたダーク・ファンタジー。
『9(ナイン)〜9番目の奇妙な人形〜』作品情報 | cinemacafe.net
MOVIX宇都宮にて。
わたしが今までやったゲームの中でも指折りの名作のひとつにNINTENDO64の「ゼルダの伝説 時のオカリナ」が挙げられます。
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 1998/11/21
- メディア: Video Game
- 購入: 4人 クリック: 142回
- この商品を含むブログ (69件) を見る
これはもう私なんかが改めて語るまでもないくらいの名作でして、少なくない人がこの作品を人生のベストゲームに選ぶんじゃないかと思うほどすばらしい作品です*1。
どこまでも続くような草原をエポナ(馬)に乗って駆け回ったり、さまざまなギミックだらけの神殿を探検したりしながら広大な世界観を満喫できる一方で、町や施設の細部にまでこだわりぬいて作りこんでいることで自分が考えて起こした行動に対する応答の正確さには心底驚かされたのです。ニワトリのそばに行くと逃げ出すというささやかなところに始まり、ちょっとした工夫をしてみるとそれに見合った結果が何かしらちゃんと得られるのがすごいんですよねー。たとえそれが自分のやりたいことを解決できなかったとしても、ちゃんと自分のやったことがレスポンスとして得られることにプレイヤーは心から満足できるのです。
結果として、このゲームの中にある世界が本当にこの世のどこかにあるんじゃないかと思わずにはいられないほど、見事なリアリティを創出していたのです。神懸かっているとはあまり安易に口にしたくないのですが、ゲームの中の世界を作り上げたということを考えるとそれはまさに神の所業としか思えないのです。
さて。本作は「9(ナイン)」は、すばらしいどころだらけの超傑作アニメーションですが、その中でも最もすばらしいと感じたのは完全にわれわれの住むこの世界に寄りかからずに完全に独立した世界をみごとに形成していた点です。時オカと同じように広大だけれどでも細部まで作りこまれた箱庭的な世界は本当によかった。
そしてその確立された世界の中で、自らに与えられた本来の役割も知らずにただ生を掴み取ろうともがく人形たちの姿はまるで人間のようにも見えてきてその一挙手一投足から目が離せなくなるし、一度そう考え始めてしまうと、この人形たちの姿やナンバリングには何か意味があるんじゃないかと気になってしまってウンウン頭を悩ませてみたのですがよくわかりませんでした。
わたしにわかったのはこの作品が異常におもしろかったということ、ただそれだけ。
80分間という短い時間ではありますが、誰も見たことのない未知の世界を思う存分味わえる独特な魅力にあふれた作品であり本当にすばらしい映像体験でした。そして映像だけではなく物語もすごくよかった。
今もっとも観るべき作品であると断言できます。
公式サイトはこちら
*1:わたしも時オカはベスト10には入るくらい大好きです