千年前には「周防の国」と呼ばれていた山口県・防府市国衙。この街に生まれ育ったお転婆少女・新子は、毎日街中を駆け回っては、発見と驚きにあふれた毎日を過ごしていた。そんなある日、新子のクラスに都会から転校生・貴伊子がやって来る。始めはそっけない態度をとる貴伊子だったが、やがてみんなに馴染んでいく。そして、やがて新子がいつも空想していた千年前の世界が、不思議な出来事となって2人を包み込んでいく――。昭和30年の街を舞台に、感性豊かな子供たちの世界を描いたファンタジー。高樹のぶ子の「マイマイ新子」を原作とするアニメーション。
『マイマイ新子と千年の魔法』作品情報 | cinemacafe.net
MOVIX宇都宮にて。
普段アニメーションを優先して観ることはなくて他に観るものがないときに選ぶくらいなのですが、珍しく何となくおもしろそうだなと感じて観に行ったのですがこれがものすごくいい作品でした。話題作でもないためか場内はスカスカでしたが、これはもっとたくさんの人に興味をもって観に行って欲しいくらいのすばらしい出来だと断言します。
画面いっぱいに広がる自然の風景に溶け込むこどもたちの姿や、日常の中で訪れる嬉しいこと悲しいこと怖いこといろんなことをとても丁寧に描いていて観ているだけで胸がいっぱいになってしまいました。
周りに友だちがいるだけでいいと思えたあの時代、大人からおしつけられる理不尽さにふりまわされるつらさ、そして空想が過去の世界とリンクする自由な世界。果たしてわたしはその中の何に感銘を覚えたのかはっきりしませんし、そもそもそういった個々のシーンや演出が気に入ったわけではなくて作品全体が描く世界観に強烈に惹きつけられました。
ご近所で上映していて観られる環境にある運のよい人はぜひ足を運んでみていただきたいです。たぶん上映期間はそれほど長くないはずなのでもうほとんど上映されていないかも知れませんが、でもこの作品を観ずに今年を終えてしまうのってすごくもったいないとわたしは思いますし、劇場で観なければ得られない映像体験をこの作品はさせてくれるのでぜひ映画館で観てほしいのです。
こういう、いい意味で期待を裏切ってくれる作品は久しぶりでした。
公式サイトはこちら
