羅生門


平安時代。荒れ果てた都の羅生門で、杣売りと旅法師が放心状態で座り込んでいた。そこへ雨宿りのために下人がやって来る。下人は退屈しのぎに、2人がかかわりを持つことになったある事件の顛末を聞く。

ある日、杣売りが山に薪を取りに行っていると、武士・金沢武弘の死体を発見し、検非違使に届け出た。次に旅法師が検非違使に呼び出され、殺害された武士が妻・真砂と一緒に旅をしているところを見たと証言した。

やがて、武士殺害の下手人として、盗賊の多襄丸が連行されてくる。多襄丸は女を奪うため、武士を木に縛りつけ、女を手篭めにしたが、女が「生き残った方のものとなる」と言ったため、武士と一対一の決闘をし勝利した。しかし、女は逃げてしまったと証言した。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%85%E7%94%9F%E9%96%80_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

山形フォーラムにて。


わたしは映画を観ること自体はとても好きなのですが、昔の映画にはさほど興味がなくて名画と呼ばれるような過去の作品はまったく鑑賞したことがありません。どちらかと言うと演じている人の顔と名前は分かるくらいの最近の作品の方が好みですし、ストーリーや舞台も現代に近い方が好きだというのもその理由です。
加えて、近場では名画座がないのでなかなか観る機会がありませんし*1、毎週公開される新作もぜひ観たい作品ばかりなので旧作にまで手を伸ばしている余裕はないというのが実情です。


長々と書いてしまいましたが、今回偶然にも前から観たいと思っていた「羅生門」が上映されると知り、観に行ってきました。


予想していたよりも古臭さというのは感じられなくて、画面が粗いことと音楽のセンスがいかにも昔の邦画っぽくて渋いなあと思いながら鑑賞しました。ストーリー自体は原作の「藪の中」を読んでいたのでおおよそは分かっていたのですが、それでも構成がうまかったためか終始グイグイ引き付けられてしまいました。


わたしが非常におもしろいと思ったのは映像に力強さを感じる点です。
音楽の迫力にも影響されていそうですが、出てくる人たちの動きがとても力強いしダイナミックでただただ圧倒されてしまいました。昔の邦画の特徴なのか、それともモノクロ作品だからそう感じるのか、単にこの作品がそういう作品なのかは他の作品を知らないのでなんとも言えませんが、最近の作品との毛色の違いにはとても驚かされました。
多襄丸のイメージが強烈だったのかも知れませんが、まるで野生児の生態を観ているようなそんな印象を受けました。


思っていたよりもとても楽しめたのでまた機会があれば他の名画も観てみたいと思います。

*1:最近はデジタルリマスター版とか言ってDVDに焼きなおして販売しているものも多いので家庭で観やすい環境が整いつつあるのでしょうが、残念なことにわたしは「映画は極力映画館で観たい派」なのでどこかで上映してくれないと観る気が起きないのです