どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?

今や日本人の引きこもり150万人、年間自殺者3万人。人生は理不尽であり、解決法もない。著者自らの引きこもり体験等をふまえ、生の根本を見つめ、この世を生き抜く術を綴ったエッセイ。

どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか? 中島 義道:文庫 | KADOKAWA

中島さんの名前は以前から知っており、とても興味があったのですが哲学者の書く文章というのはとても難解で理解しがたい箇所が多く、何となく手を出すのがはばかれていました。
ですが、偶然本屋でこの本のタイトルを見たときにどうしても読んでみたいという衝動にかられてしまい思わず手にとってしまいました。
読む前の予想どおり、ひとつひとつの文章が意図するところを汲み取ることがわたしにはとても難しく、読み進めては戻って確認して...という読み方を繰り返し、そのおかげでこの本を読み終えるのにまる一週間も費やしてしまいました。ですが、本書はそれだけの時間をかけて読むに値するほど(むしろもっと時間をかけて読むべきだったと後悔するほど)本当にすばらしい本でした。
この本を読んだおかげで、ここしばらく頭の中を席捲していた疑問に対する自分なりの答えが出すことが出来ました。一度読み終えてからも、付箋を付けて置いた場所を読み直したりして何度も何度も繰り返して読んでしまうほどわたしにとってはなくてはならない一冊となりました。寝る前に少しだけ読んだりしています。


人間が人間として生きることについてこれだけ真剣に考えている人がいるということにとても衝撃を受けました。読み終えてすぐにわたしは著者である中島さんの著書には絶対に全部目を通そうと決心しました。