最後の初恋


エイドリアン(ダイアン・レイン)は日々の生活に疲れ果て一時の休息を求めて、ローダンテという海辺の小さな町にある友人の宿を手伝いに来る。すぐに「戻って来い」と言うような身勝手な夫、何をするにしても彼女を怒らせる思春期の娘…。エイドリアンはそんな周囲の状況をゆっくり考え直すため、静かな環境がどうしても必要だった。ところが、町に着いた彼女を待っていたのは大きな嵐が来るという予報。そこへ唯一の客、ポール(リチャード・ギア)が宿に到着する。彼も良心の呵責を何とかしたいという問題を抱えていた。嵐が近づくにつくにつれ、2人はお互いに安らぎを求め、それはやがて彼らの運命を変えるロマンスに発展する――。

『最後の初恋』作品情報 | cinemacafe.net

今回はネタバレ込みの感想です。


TOHOシネマズ宇都宮にて。
海辺の宿で出会った2人が惹かれあうラブロマンス。観る前から薄々感じてはいましたが、これは私が見るべき作品ではなかったなーと痛感させられました。
先日、ハンコックを観にいった時に初めてこの作品の予告を観たのですが、その時は薄明かりの中で本を読んでいたのでストーリーとか誰が出てるとかはほとんど記憶に残りませんでした。ですが、バックで流れていた音楽のあまりのよさに思わず予告に目が向いてしまい、そしてそこに移っていた美しい海辺の家の風景を見て、「この作品観てみたい!!」と興奮してしまい、今回の暴挙に出てしまいました。完全に勢いで決めたのですがそれが裏目に出てしまいました...。
ちなみにそこまで私を惹きつけた曲はダニエル・パウターの「Best Of Me」という曲です。↓のCDの1曲目に入っています。



さて。映画に話を戻しますが、何だかんだ不満はありますが結局は私の年齢/性別/思考すべてがこの作品の対象として不適切だったのが楽しめなかった一番の原因だろうと思います。この作品を簡潔にまとめると、「結婚した後に子どもが出来て、でも夫は若い子と逃げてしまったので自分ひとりで日々子どもの面倒を観ていて、気付けばそんな多忙な毎日に忙殺されてしまっていて、唯一息抜きになっていた趣味もいつしか諦めてしまった女性が偶然であった男性と恋に落ちるけれど、彼は遠い国で死んじゃう」という話なのですが、共感する土台も持ち合わせていませんし、ましてそんな話を楽しめるほど精神的に成熟していませんので後半はもうウンザリしてしまいました。
ダイアン・レインはとてもきれいだし、リチャード・ギアは渋くてすてきなのだけれど、でもこの手の瞬間沸騰的に惚れ合ってまた離れてしまうというご都合主義の恋愛話*1は好きになれないなと強く感じたのでした。そういう恋愛に憧れを持つ気持ちは分かるし、ましてあんな海辺で出会って嵐をともに過ごすという非日常的な出来事は魅力的だと思うけれど、でも何だろうなあ...。この作品に対して私はとても抵抗を感じてしまうのです。
さらに、そんな苦手だという意識のせいだと思いますが、普段はあまりストーリーや台詞回しの細かい整合性は気にしないのですが、この作品に関しては細かい違和感や整合性の無さがとても気に食わなくてそういう枝葉の部分にばかり意識がいってしまいました。まさにあばたもえくぼの反対だったのです。


と、散々でしたが、重ね重ね書いているように、この作品が面白くなかったわけではなくて単純に私が作品のターゲットではなかっただけです。実際、中盤から後半にかけて周囲から相当数の人がすすり泣く音が聞こえてきました。ツボにはまる人にはちゃんと楽しめる作品なのです。


ちなみにどうでもいいことなのですが、リチャード・ギアをずっと観ていたら小泉元首相に見えてきました。


公式サイトはこちら

*1:映画やドラマの恋愛ものはほとんどそうだと思いますが、どうもこの作品はその度合いが許容範囲を大きく超えていると感じられるのです