神様のパズル


突然海外旅行に出かけた双子の弟・喜一(市原隼人)の代わりに、性格も学力も正反対の基一(市原隼人)はゼミへの出席を引き受けた。ところがある日、不登校の女子学生・穂瑞(谷村美月)をゼミへ参加させるようにと担当の教授から頼まれる。納得のいかない基一だったが、弟のためにと割り切り、彼女の自宅まで行くことに。だが、会って話をしているうちに、彼女の不思議なパワーに引き込まれ、基一は思わず「宇宙をつくることはできるのか?」という疑問を穂瑞にぶつけてしまう。そして翌日、不登校だった彼女がゼミに現れ、同じチームになった穂瑞と基一は、彼女にぶつけた疑問を立証する羽目に――。機本伸司による同名SF小説三池崇史が映画化。

『神様のパズル』作品情報 | cinemacafe.net

宇都宮ヒカリ座にて。


タイムマシンを作りたい。
今思うととてもありがちな夢ですが、相対性理論を勉強すればタイムマシンが作れるかも知れないという話を聞いたことをきっかけに私は物理に興味を持ち、大学でも物理学を専攻し、大学院を修了するまでの6年間を物理と共に過ごしました。
一番勉強したかった相対論はやっぱり楽しかったし、大学4年からM2にかけてやってた実験やシミュレーション作りは机上で学んだ事と現実がリンクしたような気がしてそれも楽しかったのです。
今思うともっと勉強しておけばよかったと思うわけですがそれは余談にあるので、今回は踏み込まないでおくことにします


「神様のパズル」は「宇宙を作る」という壮大なテーマを掲げた作品なのですが、難しい話は一切出てこなくて、あくまで物理っぽい雰囲気を楽しめるように作られた作品です。物理という重いと思われがちな学問の魅力を、楽しい映像で違和感なく伝えてくれるこの作風というか構成のうまさはもっと評価されていいと感じました。
それと「雰囲気だけ...」と書きましたが、物理という部分に対して完全に手抜きをしているわけではなく、SPring8やKEKといった国内有数の加速器をもつ研究施設の本物のビームラインが堪能出来るなど、本物へのこだわりも強く感じられました。個人的にはSPring8構内の様子がまた見られるとは夢にも思っていなかったので懐かし過ぎて卒倒しそうでした。自転車で移動している人を移しているシーンなんてもうたまりません。
これらのシーンを見るためだけにもう一度観に行ってもいいと思えるほどです(言い過ぎ)。


この宇宙の中に人工的に宇宙を作ることは出来るのかどうか。その結末はぜひ映画館で見てください。


それと、見終わって帰ってきてからネット上の感想を読んだのですが、比較的好評だったようでとても嬉しかったのですが、みな一様に「谷間」とか「肢体フェチ向け」がよかったと書いてて笑ってしまいました。
見ながら、私もすごく気になっていたので自分だけじゃなくてよかったと安心しました。


物理に市原君や谷村さんという、私の好きな人/テーマで埋め尽くされた作品でしたし、構成/演出どれもすごくよかったです。
私個人の思い入れで言えばかなり高ポイントな作品でした。物理に興味がある人はぜひぜひ。

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