- 作者: 冷泉彰彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/06/21
- メディア: 新書
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常日頃から「空気が読める/読めない」と言った時の空気って何だろう?と思っていたのですが、その疑問を100%解消してくれた素晴らしい一冊でした。空気というのは存在する事は分かるけれど実体が掴みにくいものの代表格として上げられますが、それに例えられるとおり、場を支配している目に見えない「何か」の正体を明確に指摘し、その背景にある日本語の性質について分かりやすく説明されていました。
個人同士の話し合いのような小さな場から、国家の命運を左右する大事な議論をするような場まで、幅広くその影響力を見せ付けている空気の正体とは一体何なのか。読み終えた今はその姿がおぼろげながら見えてきたように感じます。
タイトルにある2つの空気はそれぞれ異なる関係における空気を表しています。
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- 関係の空気 1対1でコミュニケートする場における空気
- 場の空気 3人以上でコミュニケートする場における空気
本質的な部分においてこれらの空気に違いはないのですが、場を共有する人間の増加に比例して空気は悪い方向(排他的)に働くというのはなかなか面白い考察でした。
空気という実体のないモノに決議を左右され、結果については誰も責任を取ろうとしない状況は決して褒められたものではないと思います。あえて空気を読まずに場の空気を破壊し、より健全な決定がなされる場を作るべきだと思いますし、そうしたいと思います*1。
読み応えのある良書でした。これは本当にお奨めしたいです。
*1:とは言え、人一倍空気を読んで無難にやり過ごそうとする性格なのでまずはそこから何とかしないといけないです。