ローズ・イン・タイドランド


不思議の国のアリス』を下敷きに、1人の少女のグロテスクな空想世界を綴ったミッチ・カリンの異色ファンタジー『タイドランド』を、鬼才テリー・ギリアム監督が完全映像化。奇妙で陰惨な現実世界の中で軽やかに戯れる少女の姿が、イマジネーション豊かに描かれてゆく。10歳の少女ジェライザ=ローズ。クスリが原因で、ある日突然母親が死に、彼女は父親に連れられテキサスの片田舎へとやって来る。ところが着いて間もなく、父親もクスリを打ったまま動かなくなり、1人取り残されたジェライザ=ローズは、頭だけのバービー人形を相手に空想の世界へと深く入り込んでいく…。

http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/14057/

宇都宮ヒカリ座にて。

普段は海外の役者の顔は覚えられない私ですが、この作品の主役である「ジュライザ=ローズ」を演じているジョデル・フェルランドの顔は強烈に覚えています。映画版のサイレントヒルにも出ていたのですが、実年齢に見合った背丈と年齢とかけ離れた容姿の完成度、そして非の打ち所の無い演技力で、私の記憶に強く印象付けられました。↑の写真に出ている子なのですが、写真も十分その資質を感じさせるのですが、作品中での印象はこんなものではありません。
この作品はともかく、サイレントヒルを見てぜひこの気持ちを多くの人と共有したいです。彼女の今後にはすごく期待しています。


さて。
この作品を見ての率直な感想は参ったな...という感じです。
薬漬けの両親とその両親との死別。そして異常な姉弟との関わりをローズの視点で展開していくのですが、このローズの思考回路がまたぶっ飛んでて全くついていけません。自由で制限がないところは子どもらしいとも思えるのですが、そのネジのはずれっぷりが激しくて見終わった時には疲れ果ててしまいました。首だけのバービーが話し出したあたりから常に置いてけぼりにされているように感じましたし、異常性すら感じさせるローズの視点で世の中を見たらこんな風に見えるのかという驚きも感じました。


なんて、あまり好きでは無いような事を書いていますが、実は昨日の寝る前にもこの作品のことを思い出してしまいました。
こういう一見気に入らなかったような作品が後々すごく好きになったりするんですよね...。たしかに興味をもてない作品ではないからありえない話ではありませんがとても微妙な心境です。