「第三の男」見たよ

第三の男【淀川長治解説映像付き】 [DVD]

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アメリカの売れない小説家ホリー・マーチンスは、親友ハリー・ライムから仕事を依頼したいと誘われ、意気揚々とウィーンにやって来た。ライムの家を訪ねるマーチンスだが、門衛はライムが自動車事故で死亡したと彼に告げる。ライムの葬儀に出席するマーチンスは、そこでイギリス軍のキャロウェイ少佐と知り合う。少佐はライムが闇取引をしていた悪人だと告げたが、信じられないマーチンスはライムへの友情から事件の真相究明を決意する。

第三の男 - Wikipedia

TOHOシネマズ宇都宮にて。午前十時の映画祭にて鑑賞。


旧友から仕事を依頼したいと言われたので遠路無一文で友人をたずねて行ったら交通事故で亡くなっていた...という、冒頭からとても気になる展開を見せる本作ですが、冒頭の謎めいた空気を見事に最後まで保ち続けて観る人に興味を絶えさせなかったすばらしい作品でした。次はどうなるの?とやきもきしながら楽しく鑑賞しました。
おもしろかったです。


本作の見所は、年を重ねて変わる友人関係の寂しさをとても切実に表現していた点にあります。
友人のハリーが生前とんでもない罪を犯し続けていた悪人だったと警察から聞いたホリーは「彼はそんなことをする奴じゃない」と一笑に付すのですが、あれこれ調べているうちにハリーが何をしてきたのかを知っていくのです。ハリーにとっては、「ヤンチャだけれどいい奴だった」というホリーの印象が徐々に崩れ、そしてある出来事をきっかけにホリーへの信頼は決定的に破壊されることになるのです。


10代、もしくはもっと幼いころから仲が良かった人ほど、大人になって久しぶりに会ったときにおぼえる違和感というのは大きいです。久しぶりに会った友人の中に昔のたたずまいや面影を探してしまいがちですが、自分も相手も当時持っていた幼さは時間の経過と共に失われている上に、その時間経過の中でさまざまな経験を積んで変わっているんですよね。
それ自体は悪いことではもちろんないけれど、でも久しぶりに会った相手がまるで初めて会う人のように感じられる違和感をこの作品はとてもよく表現していました。50年以上前の映画なので古臭さはあるものの、おもしろさという点ではまったく古さは問題にならないまさに名作と呼べる作品でした。

「ヤクザに学ぶクレーム処理術 必ず勝てる14の鉄則」読んだよ

ヤクザに学ぶクレーム処理術 必ず勝てる14の鉄則 (祥伝社黄金文庫)

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クレーム・トラブル急増中のいま、最強のクレーム・シューターであるヤクザに学ぶクレーム処理術であり、交渉術。仕事で、近所づきあいで、友人間で、客として使える具体的ノウハウ満載。「ヤクザに学ぶ」シリーズ最新刊。

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デスクワークがメインなのでクレーム対応というのはあまり経験がないのですが、それでも電話や対面で難癖を付けられたことは何度かあります。わたしはあまり口が達者ではないので相手に非があろうともうまくそれを言えずに言いように言われて終わるわけですが、やはりこういうことがあるとすごく悔しくて「クレーム対応が出来るようになりたいな...」なんて思いながらミルクティを飲んだりするわけですよ。別にケンカじゃないんですから相手を言い負かしたいとまでは言いませんが、せめて謂れのないクレームには毅然と対応出来るようになりたいなと思うのです。


そんなふうになるためのはじめの一歩となることを願ってこの本を手に取ったわけですが、残念ながらほとんど参考になりませんでした。
一応タイトルにある「14の鉄則」というのは書かれているんですよ、たしかに。
でも結局そこで書かれている内容というのは「○○組長はこういって切り抜けた」とか「○○若頭はこういってのけた」といった話がつらつらと書かれているだけでとてもリアル社会では使えそうにないものがほとんどなのです。

一番分かりやすいところを抜粋するとこんな感じです。

 しかも、思考の瞬発力とでもいった瞬時の対応で、臨機応変にやってのけたのは見事と言うしかあるまい。
 正当なクレームに対して、誤らずに済ます方法として、こんな切り抜けかたもあるということであろうが、誰にでも真似できるというわけにはいくまい。

166ページより抜粋

頭のおかしいクレーマーが増えてきた今、日本は一億総ヤクザ社会だからヤクザのクレーム対応方法は役立つなんて書いてますが、いくらなんでもヤクザのやったこと・言ったことをそのままやるわけにもいかないんだからそんなに参考になることなんてないよなあ...。