伝染歌


昼下がりの学校のカフェテラスで、突然の自殺を遂げた女子高生、香奈。
その場に居合わせた、あんずは、その瞬間、香奈が不気味な歌を口ずさんでいるのを聞く。
白昼堂々、公衆の面前で起きた女子高生の自殺劇に、マスコミの間では、「いじめがあったのでは?」との憶測が飛び交う。
時を同じ頃、三流風俗雑誌『月刊MASAKA』の編集部員の陸は、街で、歌うと死ぬという"伝染歌"の噂を耳にする。10年前に発売された「僕の花」を聞いて歌ったものは、みんな自殺してしまう。
いっけんありがちな都市伝説にも思える噂であったが、何かに突き動かされた陸は、他の編集部員の力を借りながら、その謎を追いかける。
あんずも、香奈が最後に口ずさんでいた歌が気になり、学校の仲間と香奈の周辺から謎を追い始める。
運命の糸に操られるかのように出会う陸とあんず。香奈の親友であった朱里と陸の兄的存在である編集部員太一の5人によって物語のスピードは加速する。
飛び火する学校内での連鎖自殺。あんずが見てしまう白い服をきている女の子の存在。
死への引導か?呪いか?確実に関わったもの全員にそれは迫ってくる。
その歌を歌ってしまった。女子高生達は?
その歌を歌ってしまった編集部員たちは?
その歌を歌ってしまった市井の人々は?

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=7932

MOVIX宇都宮にて。


> なんだか なんだか やるせなくなる

えーと。これ、伝染歌(「僕の花」)の歌詞の一部ですが、まさにこんな映画でした。全米が泣いたどころの騒ぎではありません...。


全く知らなかったのもいけないのですが、この作品はAKB48のプロモーション映画なんですね。公式にそのように銘打たれているのかどうかは知りませんが、見た私の感想はまさにそんな感じ。もう、そうとしか感じられない内容なのです。映画が始まって早々に出てくるAKB48のライブの様子とか要らないだろと一人心の中で突っ込んでしまいました。あとはラストで伝染歌を歌ってるシーンも新曲のPVですか?みたいな雰囲気で見ている人を徹底的に萎えさせてくれます。


それにしても松田龍平さんや伊勢谷友介さんがあれだけ取り憑かれた様に役を演じきってしまったことが何だかとてももったいない気がしてなりません。だって警察署内で暴れた挙句自殺を図るシーンとかラストシーンの彼らの表情なんて気を失いそうになるくらい素晴らしすぎます。
ですが、あれだけの演技もそのシーンだけで見れば完璧なのですが、作品全体の中で考えるとやはりどうしても浮いてしまいます。悪く言えば空気が読めてないように見えてしまうのです。それが、私からしてみたらすごくもったいないと感じられてなりません。



一応書いておきたいのですが、特定のファンに向けて映画を作る事自体の意義は理解出来ますしファン心理としてもビジネスとしても悪い事じゃないと思うのです。私もそういう事だと知っていればまず見ることは無かったと思います。

ただ。
ポスターやニュースサイトにはそれっぽい前振りも全くなく、ただ単純に出演者が微妙に魅力的だったので見ることにしたのが裏目に出ました。それだけの情報で選ぶのがそもそもよくなかったんだなと反省しています。私はサプライズが大好きなのでいつも事前情報はカットして映画を見に行く事にしていますが、やはりある程度は下調べした方がいいのかなと、今回ばかりは猛省せずにはいられません。


まあ、何度でも書きますが今回の件については勝手に期待してた私が悪いのでその点はもう諦めていますが、これ以上悲しい時間を過ごす人が出ないようにこうやって書き留めておこうと思います。


出演者(AKB48)のファン以外は見ちゃダメ、ぜったい。


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地下鉄(メトロ)に乗って


衣料品の営業マンの長谷部(堤真一)は地下鉄の駅で父(大沢たかお)が倒れたという伝言を聞く。彼は地下道を歩きながら、暴君の父と口論して家を飛び出し、帰らぬ人となった兄のことを思い出していた。そのとき、彼の前を亡き兄に似た人影がよぎる。必死で追いかけて行くとそこはオリンピック景気に沸く昭和 39年の東京だった。

地下鉄(メトロ)に乗って (2006) - シネマトゥデイ


畏怖の念とは言い過ぎかも知れませんが、地下鉄に対してはすごく怖い場所というイメージを持っています。走っている途中でどこにいるのか全く分からないところなんてのはその最たるものでして、次の駅に本当に着くのかどうか、もしかして全く見も知らぬ場所(南米とかイギリスとか)に着いたらどうしよう...なんていつもビクビクして乗ってます(嘘)。


元々、日常に地下鉄が無い生活を過ごしてきたのも関係しているのでしょうけども、今まで地下鉄に対してはそんなイメージを持っていたわけでして、その意味では私の妄想世界の映像化みたいな感じでとても楽しめました。


ただ、何となく選んだこの作品がまたもやタイムトラベルものだったのにはびっくりしました。単に私の引きが強いだけなのか、それともこの手の話が多いだけなのか分かりませんが、好きなジャンルとは言え、続き過ぎて食傷気味です。

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ベクシル −2077日本鎖国

21世紀初頭。人類に延命効果をもたらしたバイオ・テクノロジーとロボット産業が急速に発展を遂げたことにより、日本は市場を独占し世界を大きくリードした。
しかし様々な危険性が指摘されるようになると、国連はこれらの技術を厳格に規制することを求めた。
日本政府はその要求に従うどころか、反旗を翻して我が道を行く決定を下したのだった。
その決断とは...。

『日本鎖国

2067年。日本はハイテク技術を駆使した完全なる鎖国をスタートする。その後日本の情勢は秘密のベールに包まれたまま、10年が経過した。
そして2077年。米国特殊部隊"SWORD"所属の女性兵士、ベクシルは、日本への潜入作戦を実行する。しかしそこでベクシルが目にしたのは、想像を絶する光景であった。延々と続く荒涼たる地...これがハイテク技術の末に辿り着いた、真の日本の姿なのだろうか? 

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=7931

MOVIX宇都宮にて。

CGが美しいとか黒木メイサの声がたまらないとかいろいろと褒めるべき点はあるのでしょうが、私は「侵入する興奮」が味わえるという点を何よりも褒め称えたいです。


圧倒的な技術力を持ち、他国からの干渉を避けるために鎖国してしまった日本。衛星写真すら写らないその場所の調査を行うためにの兵士達が日本に忍び込むのがまず第一の侵入。
次いで、あるルートを介して大和重鋼本社へ入り込もうとするのが第二の侵入。
この二つの侵入シーンだけでもう大満足です。他のシーンは全部おまけ。そのくらいいい出来でした。


どういう仕掛けや敵が待ち構えているのか知る事も出来ない場所に身一つで突入するわけですから、捕まったらあんなことやこんな事をされちゃったり、挙句痛い事されて遺体になる(ここチェック)可能性もあります。そんな危険な場所へ突っ込む瞬間の緊張感がひしひしと伝わってきて、見ているこちらまで身構えてしまいました。


夏休み前日の終業式の時の高揚といえば何となく理解してもらえるのかも知れません。あんな感じの興奮。


ストーリー全体としてはそれでいいの?ってのが結構あったのですが、でも理解出来ない箇所はほとんどなかったし、とても楽しめました。長編のアニメって簡潔で見やすくて楽しいです。予告が流れていたエクスマキナとかエヴァも見ようかな。


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