山形県遊佐町で開催された第36回鳥海ブルーライン登山マラソンに参加してきました。
4年ぶり2回目の参加です。
今回も4合目まで走る17kmコースに参加してきました。
結果
結果はこんな感じになりました。
距離 | タイム(平均) | 累計タイム |
---|---|---|
1km | 04:52 | 00:04:52 |
2km | 04:55 | 00:09:47 |
3km | 04:35 | 00:14:22 |
4km | 04:54 | 00:19:16 |
5km | 05:31 | 00:24:47 |
6km | 05:42 | 00:30:29 |
7km | 05:42 | 00:36:11 |
8km | 06:19 | 00:42:30 |
9km | 05:56 | 00:48:26 |
10km | 06:23 | 00:54:49 |
11km | 06:41 | 01:01:30 |
12km | 06:30 | 01:08:00 |
13km | 06:37 | 01:14:37 |
14km | 06:35 | 01:21:12 |
15km | 06:22 | 01:27:34 |
16km | 06:09 | 01:33:43 |
-ゴール | 03:05 | 01:36:48 |
タイム種別 | タイム |
---|---|
グロスタイム | 1時間36分51秒 |
ネットタイム | 1時間36分48秒 |
平均ストライド(cm) | 平均ピッチ(歩/秒) |
---|---|
0.88[m] | 195[歩/秒] |
合計:17.0km/01:36:51(5分41秒/km)
順位は37位でした。
結果の分析
コース図がないので今回のGarminの結果を張ります。
(コース図)
(高低差図)
わたしが参加した17kmコースはサンセット十六羅漢のある広場からスタートして4合目にある大平山荘を目指して走るコースです。
走路は鳥海ブルーラインという山岳道路を走るのですが、ここの一部(コース上だと3km地点以降)は11月から4月までの冬季期間は閉鎖されるくらい雪深いところです。今回は走路に雪が残っているということはありませんでしたが、山のあちこちにまだ雪が残っているのが確認できました。
スタートは予定どおり13時ちょうど。
号砲ともにダッシュする先頭集団を眺めながらのんびりとスタートしました。
最初の100mくらいは下りなんですが、そこから95%くらいは上りが続くことを考えると最初からペースを上げて走る気にはあまりなれません(笑)
最初の下りを過ぎると緩やかな上りが始まって見る先見る先が上り坂になったのでいよいよ登山マラソンが始まったな!とワクワクしてしまいました。とりあえず最初の3kmは民家もあってまだ本格的な上りにはならないことは知っていたのでキロ5分くらいを目安にペース走を心がけたのですが、上りは斜度が大したことがなかったのでなんとかキロ5分ペースを維持して走ります。
3kmまでは順調でしたが、3kmを過ぎたあたりにある冬場に閉鎖するための門を超えるといよいよ本格的な上りになります。
コースのアップダウンが厳しくなるのは当然として、スタート直後から吐く息が白く見えるくらい涼しかったのですが雲の状況次第で日差しの強さが大きく変わり、その影響で体感気温も大きく変わることを実感し始めました。日差しがないと肌寒いくらいでしたが、日差しが出てきたら出てきたで暑くてぐったりしてしまいました。
3kmを過ぎると坂の斜度も厳しくなり、そして下りは一切なくなりました。
常に目の前には坂、坂、坂(笑)
最初はそこまでつらいとは思っていなかったのですが6kmあたりからじょじょに腰が痛くなってきて坂をのぼるのがしんどくなってきます。
あまりに痛くてもう歩いてしまいたくなったのですが、一度歩いたらもう走れなくなるような気がして怖くて給水所で立ち止まって水を飲むとき以外は立ち止まらないように我慢して走り続けます。
8kmを過ぎて9kmに近くなったところで後ろからかなり速い足音が聞こえてきました。
おそらく10分遅れてスタートした10kmコースの1位の選手だろうと思って道を開けておいたのですが、追い越されてびっくり。なんと1位の選手は女性でした。しかもめちゃくちゃ速い!
キロ4分台前半くらいのスピードでサクサクと山道を上って行ってしまいました。
上りは体が軽いほうが有利だとは言われていますが、それでもあの傾斜10%前後の坂をあのスピードで上っていくのはただただすごいとしか言えません。めちゃくちゃかっこよかったです。
そしてこの選手の走っている姿を見て、いまの自分の姿勢が前傾になりすぎていることに思い至りました。
上りは前傾気味に走ったほうが走りやすいという人もいますが、いつも起伏走をしていてわたしが感じるのは「前傾ではなくなるべく直立の姿勢を保って走ったほうが長時間の上りを走ることに向いている」ということです。前傾で走るほうがたしかに短期的には楽に感じられますが、態勢が崩れている状態だからなのか1km以上そのまま走ることは難しく、結果としては多少つらくても前傾で走らないほうが楽に走れます。
というのは頭ではわかっていたのですが、ここまで5km以上も上りが続いたことで背中が痛くて前傾になっていました。
ここで改めて自分の姿勢の悪さに気づいたために背筋を伸ばして走ってみると、足が自然と前に出るようになって前より走りやすくなったのがわかりました。それを維持するのはそれはそれで大変なのですが、長い目で見れば前傾で走るほうがつらいと思いがんばってその姿勢を維持し続けました。
この大会は距離表記がまったくなくてどこを走っているのかはかんぜんにGarmin頼みなのですが、Garminの10km地点通知と10kmのゴールは200mほどずれているのを確認しました。上りばかりのわりにはずれてないなと感心しつつ、10kmのゴール脇を走り抜けます。
わたしが10km地点を通過した時点では10km完走者は2名でした。
わたしの通過タイムから計算するとキロ4分15秒を切るペースで上り切ったようでしてほんとすごいなと感心せずにはいられませんでした。
10km地点を過ぎてからもひたすら上りは続きます。
このあたりまで上ってくると腰は痛いものの、上りを走ることにも慣れてきたのかつらさはさほど感じなくなっていました。改めてこのときのペースを見直してみるとキロ6分を超えていてだいぶ遅くなっているので楽に走れていたというわけではないのですが、自分が気持ちよく走れるペースに落ち着いていたようで走るのがつらいとはあまり感じなくなっていました。
ただ、ここまで既に600mを上っていたので気温もだいぶ低くなっているはずなのですが、この時間は日差しもだいぶ入っていてむしろ暑く感じるところが多かったです。朝の荒天を思えば暑いなってくれるくらいなんてことはないのですが、それでもじりじりとした日差しはじわじわと体力を削りにくるので給水所では水をかぶったりしながら走りました。
10kmを過ぎるとそれまでとは違ってほんとうに上りばかりで平地はほとんどなく、1kmくらい上る→100mくらい緩い坂になる→また1kmくらい上るといった感じでほぼ上り一辺倒になります。そして下手に下りがないからこそ体が上りに順応して走りやすく感じました。
道はひたすら曲がりくねっていたり、曲がり角が異様に斜度がきつかったりとハードではありましたが、鳥海山を走ってるんだという興奮もあってあっという間に過ぎ去っていきました。10km以降の7kmは本当にあっという間としか言いようがないくらいでした。
ふと気づくと遠くに海が見える場所まで上っていて、そしてこの風景には見覚えがありました。
ゴールは近い。
以前走ったときの経験から、この風景を見てからゴールまで1kmも無かったことを思い出して一気に寂しさが増してきます。
ここまで走ってきて足も背中も痛くて呼吸もしんどくてめちゃくちゃつらかったのですが、それでも走り終えてしまうと思うと寂しくて寂しくて仕方ありませんでした。でも寂しいからと言って立ち止まるわけにも行かないし、何よりもここを歩かずに完走することを目標に練習を積み重ねてきたわけですからまずはしっかりと走ってゴールしようと覚悟を決めました。
そこからは必死にペースを上げて前にいる人を何人も抜いたのですが、気付いたらゴールである太平山荘が目の前に現れました。
走る前は歩かずに走り切れるかどうかわからなかったけど無事走りとおせたといううれしさと、これでしばらくは鳥海山を走ることができないという切なさ。さらに走ってきたことによる疲れもあって頭の中はぐちゃぐちゃでしたが、この大会はランナーひとりひとりのゴールの瞬間の写真を撮ってくれるのでひとまず笑顔でゴール(笑)
ここで初めて時計を見たら4年前より8分ほどタイムが速くてちょっと驚きました。
まとめ
今年はアップダウンの厳しいコースをいろいろと走って見たいと思ってあちこちの大会に申し込んでいましたが、その中でも指折りに厳しい大会がこの鳥海ブルーライン登山マラソンでした。じつはもうひとつ「八海山登山マラソン」という大会にも申し込んでいたのですが、個人的な都合もあって出ることができませんでした。
本当は両方に出てどっちがきついコースなのか比べてみたかったのですがそれが出来なくて本当に残念ですが、ひとまず鳥海山のほうは無事参加して走り切ることができたのでよかったです。朝の時点ではあまりにひどい雨で絶対中止だと思っていたので最後までしっかりと状況を見極めて開催してくれた運営の方々には本当に感謝しています。
走り終えてからは太平山荘*1でお風呂に入り、地元の名産品がもらえるくじを引いてから帰ってきました。山を駆け上った後のお風呂は最高によかったのですが、ランナーが多すぎて芋洗い状態でした(笑)
くじの方は子どもたちが代わりにひいてくれたのですが、「鳥海山の恵みをいただくカレールウ」をいただきました。
後日食べてみたのですが甘口でありながらもスパイスが効いていておいしかったです。前回参加したときはたしか米をいただいたんですが、こんなふうに地元の名産品をいろいろといただけるのはとてもうれしいです。
そして近くの鹿公園で鹿にせんべいをあげてから帰途につきました。
# これは見知らぬおっちゃんですw
山の上だし寒いかも知れないから念のためにとカーディガンを持参したのですが、これが正解でして4合目とは言えめちゃくちゃ寒かったです。あちこちにまだ雪が残ってたし山をなめてはいかんよなという思いを新たにしました。
そんなわけで念願の鳥海山へ走りに行き、無事完走してきました。
山形と秋田というわたし自身が縁のある土地にまたがった山であるということも大きいと思いますが、この鳥海山という場所を走れるということはほんとうにうれしいことでして今回も走り終えた後の達成感というか充足感は他の大会とは一線を画すほどでした。あまり比べるものでもないと思いますが、完走したときの満たされかたの程度としては秋田100kmを完走したときに近いと思っています。
そのせいなのか走り終えたあとのこの一週間は完全に燃え尽き症候群となっていて、まったく走る気になれませんでした。
ものすごい遠くてなかなか気軽に行ける場所ではありませんが、いつかまた鳥海山を走って上りたいしそのときはさすがに優勝とは言わないけれどせめて10位以内には入れるくらいの走力をひっさげて参加したいです。それを長期的な目標に据えて、これからも上りに強いランナーをめざして走り続けたいと思います。
(過去に参加した登山マラソンの結果)
大会名 | 日付 | タイム | 前回差 |
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第32回鳥海ブルーライン登山マラソン | 2013/06/08 | 1時間44分29秒 | - |
第36回鳥海ブルーラインマラソン | 2017/06/10 | 1時間36分51秒 | -7分38秒 |
(関連リンク)
*1:おだいらさんそうと読むらしいです。わたしはずっとたいへいさんそうだと思っていました。