「ルームメイト」見たよ - 子持ちししゃもといっしょ

交通事故に遭い入院中の荻尾春海（北川景子）。歩くこともままならない彼女を見守り、そっと寄り添ってくれたのが看護師の西村麗子（深田恭子）だった。意気投合した2人は退院をきっかけにルームシェアを始めることに。共通の趣味や、交換日誌で本音を綴りあうなど、互いの友情を深めあっていく2人の生活は順調にも思えたが、春海の身の回りで次々と不可解な事件が起き始める。知らない筆跡で書かれた異様な内容の日誌、事件につながるショッキングな証拠。やがて事態はエスカレートし、殺人事件にまで発展してしまうのだった。身の危険を感じた春海の前に現れたのは、麗子の姿をしたマリと名乗る全くの別人だった…。
『ルームメイト』作品情報 | cinemacafe.net

(注意)　本エントリーには作品の内容に触れている部分があるので未見の方はご注意ください。

MOVIX宇都宮で観てきました。

冒頭から足場がしっかりしていない場所に立たされているような言いようのない不安をおぼえる空気を感じながら物語の中に入り込んでいったのですが、ある一点をのぞいてはたいへんよい作品でしてひじょうにおもしろかったです。始まって早々から抱いていたモヤモヤとした感情はラストで一気に払拭できるのがすごくよかったし、観終えてみると実は映像ではなかなか伝えにくい仕掛けだったなと思ったのですがこのむずかしい仕掛けを見ている側に違和感なく伝えられるよう工夫されていたことがとてもよかったです。

あまり詳しいことを書いてしまうとネタバレになってしまうので、とりあえず「仲良くなった同性の友だちと一緒に住むことになったけど、じつはその人が他人の飼い犬を煮込んだり気に入らない人に硫酸ぶっかけたりするようなキチガイだったら...」というたいへん興味深い設定だったということと、「最後はちゃんとすっきり終わる作品だった」ということだけはお伝えしておきます。

ではわたしがゆいいつ不満をおぼえた場所がどこなのかというと深田恭子の演技です。

いまさら改めて言うまでもないのですが、彼女は何に出ても常にマイペースな演技を貫くためにどんな作品からも緊張感を奪ってしまうという大変おそろしい女優です。演技が拙いと言ってしまえばそれまでなのですが....。

そんな彼女のせいかどうかはわかりませんが、彼女の出る作品はちょっといまいちな作品が多い気がします。
ここ5年くらいの彼女が出ている作品は9割くらい見ていますがおもしろかった作品って記憶にありません。

誤解のないように書いておきますがわたしは彼女のことが大好きです。かわいいしおっぱい大きいし見た目的には非の打ちどころはありませんが、でもわたしの中では彼女は指折りの地雷女優でもあるというだけなのです。

演技力には逆の意味で定評がある彼女が、よりによってこの作品ではとてもむずかしい役割を担ってしまっているがゆえにそこがたいへん厳しかったなと感じました。設定の一番大事なところなのでもっと演技のうまい人にやって欲しかったなというのが率直な感想ですし、そこがよければ作品の印象ももっといい方向に大きく変わったんじゃないかなという気はしています。

以下ネタバレありで続きます。

この作品のネタバレをすると、麗子は独立して存在する一個人ではなく晴海の一人格だったというものです。
晴海は10代の頃に母親の再婚相手にレイプされ、さらにそれを知った母親からもその事実を隠すように言われたことでストレスを受けた彼女の中に別人格が2つ生まれることになります。それが麗子であり、麗子の中にいるという体で話が進められていたマリという人格です。つまりルームメイトとしていっしょに過ごしていた麗子という人は最初から存在せず、ただ自分の中に別人格として同居していた人があたかもそこにいるかのように描かれていたというだけだったのです。

この作品を観てから「なんかこの作品ってどこかで見たことがあるんだよなあ」と思ってツイートしたところ、何名かの方から情報をいただきました。わたし自身も「そういえばあれに似てるかも」と思いついた作品もふくめて3本紹介します。