「通勤大学MBA〈10〉ゲーム理論」読んだよ

通勤大学MBA〈10〉ゲーム理論 (通勤大学文庫)

通勤大学MBA〈10〉ゲーム理論 (通勤大学文庫)

人生のあらゆる場面において、相手がいる限り不可欠なのが「かけひき」である。そして相手に勝つためには上手なかけひき、つまり論理的に状況を分析して相手の手を読み、最善の選択をすることが必要だ。上手なかけひきと、それを実行するためのコツをトレーニングする本書で、勝つための戦略を身につけてほしい。

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これまでの人生を振り返ってみると、ほぼすべてのことはフィーリングで乗り切ってきました。
例えば大学はどういう研究室があるとかどういう先生がいるとか進学率や就職率はどのくらいだとかそんなことさえ調べずに決めましたし、会社だって事業内容と職種について簡単に調べたりはしましたが基本的にはキャリアパスとか先のことなんてまったく考えることなく、ゴミゴミしていなくて住みやすそうだし社内の雰囲気もいいっぽいしここでいいんじゃない?とこれまたフィーリングで決めたのです。


わたしはとても運がよいらしく、これらすべての選択はどれもがよい方向に転んでいます。研究室で過ごした3年間も楽しかったし、仕事も好きなことが出来ているので毎日充実しています。


けれどそれでもたまに思うのは、人生の岐路に立ったときにもっと戦略的に思考すべきだったんじゃないかということです。
これはもう無いものねだりになってしまうのですが、すべてがフィーリングで決めたことだと考えると過去の自分の行動の大半が必然性があるものではなく偶然に支配されているような気がして、何となく足元がグラグラしてしまうようなそんな不安定な気分になってしまうのです。結局いまがこんなに楽しいんだからいいじゃないと思わないわけでもないのですが、でもちゃんと考え抜いた上での選択というのがどんなものかわからないわたしは「戦略的」とか「人生設計」という言葉にちょっと憧れちゃうんですよね。


そんなわけでこれからは論理的に考えて戦略を立てられる大人になってみようと思ってこの本を手にしたわけですが、論理的な思考の面白さと難しさがわかりやすくまとめられていて非常におもしろかったです。見開き1ページでひとつのトピックを紹介する形式で書かれているのですが、その短さが気軽に読める手軽さにつながっています。また専門用語や想定するケースを極力限定的にすることで、特定ケースを想定しながら論理思考の訓練ができるのもすごくよかったです。
ただ、それでも論理的な思考をすることに慣れていないためか、2トピックを真剣に読むと脳が疲れ果ててしまって長くは読めませんでした...。普段いかに論理的な思考をせずに生きているのかということと、そして自分がいかに論理的に考えることが出来ていないのかということを身をもって体験できました...。


この本に書いてあることを読んだだけではとても論理的な思考は身についてはいませんが、それでも囚人のジレンマとかミニマックス戦略といった名前だけは知っていたことを多少は理解出来るようになったことはとてもよかったです。