ジェリーフィッシュ


美しい海辺の街、テルアビブ。結婚式場で働くバティアは、ひょんなきっかけで出会ったひとりの少女を預かることになる。バティアの働く式場で披露宴を挙げた花嫁のケレンは、式の最中に骨折。新婚旅行の代わりに近くのホテルに泊まるが、そこで花婿は謎めいた女性に出会う。フィリピンから出稼ぎに来たジョイは、一人暮らしの老女・マルカのヘルパーになり、やがてマルカと彼女の娘の冷え切った親子関係を溶かしていく…。人生の波に揺られ、海に漂うしかない人々が、希望を求めて生きる姿を描いた感動の物語。

『ジェリーフィッシュ』作品情報 | cinemacafe.net

シネアミューズにて。
イスラエルを舞台にそこで生きる人々の姿を描いた作品。
自らの意思だけではどうにもならないことにぶつかり、打ちひしがれる。そんな彼らの姿はまさに浮かんで漂うことしか出来ないクラゲそのものでして、このタイトルはうまいなあと感心してしまいました*1


観ていて感じたのは「イスラエル」という国を含めた中東のバックグラウンドについてもっと知っておくべきだったし、出来ればもっと知りたいという事です。
ホロコーストだの第二世代だの、よく分からない言葉が出てくると、そこでぷっつりと話が切れてしまいそこまでに築いた作品の全体像のうち、一部がぽっかりと歯抜けになってしまうのです。ただでさえ、全体を追うのが難しかったのに途中で話を追い切れなくなる*2というのはけっこう致命的なことでして、結局観終わった今でも見残してしまったような感覚があります。出来ればもう一度全体を俯瞰しながら観たいです。


そんなわけで消化不良感は残っているものの、でも観てよかったと断言できるくらい魅力あふれる作品でした。


バティアが出会った少女は一体何者だったのか。
言葉すら満足に通じないジョイが、マルカのヘルパーとして信頼されていったのはなぜなのか。


そんな「なぜ」がふと理解出来たときにこみあげてくる感情が、今まで感じたことのないような不思議なもので未だにうまく言語化出来ません。でもその気分はとてもよくて本当に観て良かったと思えるのです。


出来ればもう一度観たいです。

公式サイトはこちら

*1:と言っても、jelly fishというのがくらげを意味するというのを知ったのはあとで辞書で調べてからでして、それまではおしゃれなタイトルくらいの認識しかありませんでした。

*2:単語が分からない事自体がよくないのではなくて、分からない事に思索をめぐらせ過ぎてその間にストーリーが進んでしまうという表現が適切かも知れません