カナリア

カナリア [DVD]

カナリア [DVD]

ひとりの少年が早朝の薄闇に身を潜めている。頭上に響くヘリコプターの爆音。殺気を帯びた暗い瞳が朝の空気の中で光を放つ。
少年の名は岩瀬光一、12歳。母・道子に連れられてカルト教団の施設で妹とともに数年を過ごしたが、カルトが引き起こしたテロ事件によって警察に保護され、関西の児童相談所に預けられた。だが祖父は、光一より4つ年下の妹の朝子だけを引き取っていく。母の行方はわからないままだ。
光一は、児童相談所を脱走した。
とある廃校で、履き古された運動靴と1本のドライバーを手に入れた光一は、ひたすら走りつづけた。東京にいる祖父の元に行き、朝子を取り戻すのだ。
光一は男に手錠をかけられて危うい目にあいかけていた少女、由希を偶然助ける。母親を亡くし、父親からは顧みられることのない彼女も光一と同じ12歳だ。児相で光一のことを見かけていた由希は、光一がカルト教団ニルヴァーナ〉の子どもで、児相を脱走してきたことに気づく。だが由希は助けてくれた恩返しといって光一のために衣類を調達し、「オッチャン」と呼ばれる老人のアパートを訪ねて東京へ行くための交通費の足しを得た。
夜道を歩くふたり。由希が口ずさむのは、昔、母がよく歌ってくれた「銀色の道」だ。「うちかて、人の役に立ちたい」
と言いつのった由希は、光一と一緒に東京へ向かうことを決める。
先行きを案じて万引きをしようとする由希。光一は「人の物を盗むと、盗まれた人の苦しみが必ず自分に返ってくる」と激しく拒絶する。由希は「ほなら、なんであんたら人を殺したん」と毒づく。光一はその問いに答えられない。ふたりはワゴン車で旅をする咲樹と梢に出会い、一夜の宿と食事にありついた。その夜、由希は母にまつわる思い出を光一に語る。<光一の回想>母・道子に連れられて、霧の中を車でニルヴァーナヘと向かう光一と朝子。施設では、子供たちだけの生活が待っていた。お供物と呼ばれる食事を放り出した光一は、子供たちの教育係で『シュローパ』こと伊沢から刑罰を受ける。

翌朝。咲樹と梢のふたりは恋人同七のようなのだが、咲樹にはどうやら別れた夫と息子がいるようだ。そのことがもとで咲樹と梢は激しく言い争い、梢はその場を飛び出してしまう。光一は震える咲樹の肩に静かに手を置いた。すると、咲樹の高ぶった心は不思議と落ち着いていくのだった。

咲樹たちと別れたふたりは電車を乗り継ぎ、やがて東京にたどりついた。街の掲示板に貼られた、テロ実行犯たちの指名手配のビラが目に留まる。そこには母・道子の写真も載っていた。

夜。ビルの非常階段。光一はドライバーを研ぎながら、自分と母を見捨てた祖父のことを由希に語る。

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=4930


ユビサキから世界を」に続いて、谷村美月さんの出演作という事でレンタルしてみました。


まず、出演者についてですがとてもすばらいいキャスティングだと感じました。
石田君の重く沈みこむような雰囲気は素なのか?と思ってしまうほどですが、メイキングを見てると結構明るい感じなんですよね。「檸檬のころ」でも似たような役柄でしたが、視線だけで何かを訴えられるのは彼のいいとこじゃないでしょうか。私はとても好きです。
谷村美月さん演じる由希の、幼いながらも処世術を身につけている子どもらしくない子どもキャラもとてもいいです。こういう世渡り上手というか大人の扱いが上手い子っているよな〜なんて思いながら見てしまいました。
あとは若かりし頃の(というほど前ではありませんが)西島さんが出ていてちょっと感動しました。


次いでストーリーですがこれが結構苦手路線です。私は宗教自体、あまり好きではありません。そもそも宗教に傾倒している人が大嫌いです。
もちろん信仰心自体を否定するつもりは毛頭ありませんが、妄信ってよくないと思うんです。いい事なのかどうかの物差しは自分自身の価値判断で毎回行うべきだと思います。誰かが言ったからと信じるのはとても危険だし、それでいいの?と思わずには居られません。
そもそも、自らの生きる上での選択を宗教に委ねているのはとてもずるいと思うのです。何にも頼らず生きられるほど強い人ばかりではないだろうけども、何も考えずに誰かの言葉をただ信じていくだけなんてのはとてもまともな人のすることとは思えません。
信じることは勝手だし自らの正義を貫くのは大変結構ですが、その行為や選択をした結果が大事な誰かに辛い思いをさせていないかどうか考える余裕は持って欲しいです。
# そんな余裕があったら宗教になんてはまらないんでしょうけど..。



そうそう。
メイキング見て気付いたのですが監督は塩田監督なんですね。害虫がかなり衝撃的な作品だったせいで、覚えてしまいました。作品への思い入れを参考に考えてみると、好きな監督になるのかな。

公式サイトはこちら