「いつか、虹の向こうへ」読んだよ

いつか、虹の向こうへ (角川文庫)

いつか、虹の向こうへ (角川文庫)

尾木遼平、46歳、元刑事。職も家族も失った彼に残されたのは、3人の居候たちとの奇妙な同居生活だけだった。家出中の少女が彼の家に転がり込んできたことがきっかけで、ある殺人事件に巻き込まれてしまい…。新人離れした筆力で綴り上げた、痛みと再生の物語。第25回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞W受賞作。

http://www.amazon.co.jp/dp/4048736124

紹介文がずいぶんと期待を煽りすぎていたので期待過剰にならないか不安でしたが、とてもおもしろかったです。
どうしたって人生って自分の思い通りにはコントロールできないよねという諦観と、それでも自分の意志でどうにか進む方向を選びながら生きていこうと行動することの尊ささがよく伝わってくる作品でした。まさに今の自分が考えていることや不安、そういったモヤモヤとした感情を具体的な物語として起こしているところがグッときました。


やりたいことやなりたいもの。そういった自分が欲しいと手を伸ばしたものをいろいろと諦めたところからまた別の可能性が生まれてくることもあるし、だからこそどんなに嫌なことがあっても生きてるだけですごく楽しいんだよなとわたしは思います。