「カムイ外伝」見たよ


忍者の掟を破り組織を追い出された抜忍・カムイ(松山ケンイチ)は、時の絶大な権力者やかつての仲間たちと共に戦いながらも、自由を求め、たった一人で生きていく…。必殺忍法を駆使しながら執拗な追手たちと戦う、忍者・カムイの果てしない旅を描く白土三平の漫画「カムイ外伝」の実写映画化作品。脚本を、宮藤官九郎が手がけている。

『カムイ外伝』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。


観ながら「この言いようのないもどかしさは何だろう...」と首をかしげてしまうような作品でした。
個々のシーン、特にカムイが追い忍たちと戦うシーンの迫力は文句なし*1にすばらしいのですが、何だか見ていてとてもモヤモヤするのです。
率直に言うと、この作品はいったいカムイの何を描きたかったのかが全然分からないんですよね。


カムイが忍びとして生きることを選んだ経緯や、そこから抜けるに至った経緯はすべてすっ飛ばしているのは時間の都合上しょうがないと思いますが、じゃあこの作品ではカムイの何を描くのかと言えば、その生い立ちの恵まれなさから頑なに他者との心の疎通を拒んできたカムイが半兵衛一家との関わり合いをとおして心を開いていく過程を描くしかないわけです。
だけど果たして本作がそれを描いていたかといわれたら、わたしにはとてもそうは感じられなかったんですよね。ただの爽快アクションとしては十分かも知れませんが、それだったらカムイなんていう既存の題材は使わなければいいんじゃないなのかなと思うわけでどうもなぜカムイなのかというところが腑に落ちないのです。
そしてそのテーマと描写の乖離というかアンバランスさがどうも納得できなくて、爽快アクションを見ているのにフラストレーションがたまってしまうという不思議な状態になっちゃうんですよねー。


上にも書いたとおり、個々のシーンやキャストされた人たちの頑張りは本当に伝わってくるのですが、それが分かってしまうからこそその空回りしている様子が耐えがたく感じました。


公式サイトはこちら

*1:いくら忍者とは言え、重力を無視した奇妙な動作はどうかと思いましたが