あれから3年――。ロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)は、歴史上最も謎に包まれた秘密結社“イルミナティ”の復活の証拠を発見し、彼らが最大の敵とみなす“カトリック教会=ヴァチカン”に致命的な脅威が迫っていることを知る。イルミナティの計画が密かに進行していることを突き止めたラングドンはローマに飛び、400年の歴史を持つ古代の“シンボル=暗号”をたどりながらヴァチカンを救う唯一の手がかりを探っていく…。「ダ・ヴィンチ・コード」の著者、ダン・ブラウンによるベストセラー小説「天使と悪魔」を映画化した『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズ第2弾。前作に引き続き、トム・ハンクス扮するラングドン教授が、イタリア・ローマを舞台にヴァチカンの存在を揺るがす、伝説の秘密結社の存在に深く迫る!
『天使と悪魔』作品情報 | cinemacafe.net
宇都宮ヒカリ座にて。
前作未見でしたが、全く問題なく楽しめました。おもしろかったです。
本作は上映時間が140分とちょっと長いのですが、それでもこの量の物語を語るには短すぎるくらい、かなり大量のストーリーが詰め込まれていました。もう全然上映時間が足りてないんですよ。あれだけ多くのことを語るのであればもう30分は伸ばしてももよかったんじゃないかなあ...*1。
そんなわけで全体的に話が駆け足で過ぎていったような印象がつよく残りました。
ラングドンの推理があまりに冴えわたり過ぎたせいで、最後は「実は犯人は俺だったんだよ!!」とか言い出すんじゃないかと不安になるくらい話がチャッチャカ進んでいきました。たしかにあれこれ推理で悩んで時間が過ぎていくよりはテンポがよくてよいのですが、でももう少し推理してるっぽい雰囲気を出した方が説得力があってよかったんじゃないかなと感じました。
# とは言え、このテンポのよさやスピード感はすごく気持ちよかったです
それにしても反物質を作るというのはおもしろいなと思ったのですが、それが5キロtくらいの爆薬に相当する爆発力があるというのはどういう計算なんだろうと見ながら考えこんでしまいました。
反物質というか、反粒子は対となる電荷やスピンを持つ粒子と出会うと質量をエネルギーに変えてそれをガンマ線などのエネルギーとして放出します。これを対消滅というと作中でも言っていましたが、つまり反粒子と正の粒子、2粒子の質量分のエネルギーが外に向けて放たれることになるわけです。例えば1gの水素の反物質(反陽子1個と反電子が1個)があったとして、これと普通の水素がインタラクションした場合にはどのくらいのエネルギーが出るのかとざっくり計算してみようと陽子の質量とかアボガドロ数を思い出そうと考えていたら、人は死んでるわいろんな人がゾロゾロ出てくるわと話があっという間に進んでおいてけぼりになりそうでしたので見ながら考えるのは止めました。で、見終わって帰って来てから調べて計算してみたのですが、たしかに1gの反水素の対消滅のエネルギーは莫大でして、この作品のラストで見せた爆発程度じゃすまないだろう...と一人で突っ込んでしまいました。実際の設定では1gも無かったのかも知れませんし、なんともいえないですけど。
細かいことは置いておくとして、宗教というひとつの共通した信念を共有しているはずの集団であっても一度多くの人間が集まってしまうとエゴのぶつかり合いになるという部分の描写はなかなか真に迫っていたし、この部分も含めて全体としてものすごく興味を持てるシーンの多い作品でした。
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*1:長過ぎるのは嫌だけど