ジャンパー


空間を自在に移動できる力を持ち、その能力を利用して個人的な利益や歴史を変えてきた人々がいる。彼らの名は“ジャンパー”。デヴィッド(ヘイデン・クリステンセン)も、その遺伝子を継ぐ一人であった。その才能に目覚め、15歳で単身ニューヨークへと旅立った彼は、銀行の金庫室へと瞬間移動、まんまと大金をせしめる。だが、その存在に気づいた男がいた。“ジャンパー”を悪とみなし、彼らの抹殺を使命とする組織“パラディン”のローランド(サミュエル・L・ジャクソン)である。そして10年後、デヴィッドは世界中を飛び回り、自らの特権を謳歌していた。だが、同じジャンパーの一人、グリフィン(ジェイミー・ベル)という青年が現れてから、デヴィッドはパラディンたちの襲撃に遭い、そしてジャンパーの宿命と秘密について知ることになる…。

『ジャンパー』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。
好きな場所に好きなときに飛んでいける能力を手にした1人の青年の物語。誰もが一度はこんな能力があったらなあ...と思ったことがあるテレポーテーションする能力。30歳を超えた今でもテレポート機能を備えたいと思っている夢見がちな私にとっては非常に魅力的な題材でした。


この作品で感心したのはジャンパーを悪とみなして駆り続けるパラディンの存在でした。


見る前は、自分が使う側になることを前提に「ジャンパーみたいな能力欲しいなあ」なんて考えていましたが、改めて考えてみると好きな場所に好きなときにいける能力を有するジャンパーは、他人からみたらこれ以上ないくらい迷惑な存在なのです。


例えば。
私にジャンパーな友達がいたとして(ここでは仮にjumperとします)彼と些細なことでケンカをした時の事を考えて見ましょう。
私が大事に取っておいたプリンを友達が何となく食べてしまい、私がすごく怒ったというシチュエーションを想像してください。


itotto 俺のプリン食うなよ〜!
jumper ごめんごめんw
itotto 顔も見たくないから帰れよ。
jumper そんな怒るなってw
itotto もういいから部屋から出て行けよ、マジで。
jumper 分かったよ、帰るよ...。


部屋から出て行くjumper。そして出て行ったことを確認して鍵をかけるitotto。


itotto もう何なんだよ、あいつ...。
jumper そんな怒るなってw
itotto ちょwww勝手に入ってくんなってwww


見てのとおり、私のプライベートは完全に蹂躙されてしまい、私には二度とが気の休まる日は訪れないのです。
いつだって好きな時に私のプライベート空間に入れるjumperがいる限り、しょうがないのです。


こうやって改めて考えると、ジャンパーの持つ能力というのは非常に脅威です。
実際。この作品中でもデヴィットはこの能力で金庫破りをして大金を手に入れており、そのお金で優雅に暮らしています。盗る側からしたら軽くピョーンと飛んでいってお金を持ってくるだけという気楽な仕事ですが、守る側からしたらどうしたって守りようのない圧倒的な力でお金を奪われているわけです。


そんな圧倒的な能力を持つジャンパーに力で対抗出来るのがパラディンという存在であり、力で対抗出来る存在があるからこそ、ジャンパーがもたらす脅威を無制限に発散させることなく、秩序が守る役割を果たしているのです。
この作品ではどちらかというと好き放題やっているジャンパーが善であり、それを駆逐しようとするパラディンが悪のように描かれているのですが、その構図があまりに不自然過ぎるせいで、ジャンパーの悪意のないからこその性質の悪さが際立って感じられて非常に面白かったです。


そういえば今回初めての先行上映だったのですが、席がほとんど空いておらず、カップルとカップルの間に陣取ってしまいました。普段であればカップルとカップルの間に座るなんて...と落ち込むところですが、今回はこれがとても功を奏しました。



いや。まあ。なんとなくね...。


公式サイトはこちら