めがね


春。旅人・タエコ(小林聡美)がたどり着いたのは、透明感あふれる日差しと爽やかな風が心地よい海辺の町。渚をゆっくり、ゆっくり歩いた先には、奇妙な懐かしさをたたえた小さな宿が。彼女がそこで出会う人々はみんなどこか風変わりだったり、どこにでもいそうだったり。宿主のユージ(光石研)に、宿にたびたび出没する女・ハルナ(市川実日子)、タエコを追って来る青年・ヨモギ加瀬亮)、そして宿の人々からそこはかとない信頼を寄せられる謎の常連客・サクラ(もたいまさこ)。ゆるやかな時間を思い思いに過ごす彼らは、なぜか全員、めがねをかけている――。『かもめ食堂』の荻上直子監督とスタッフが贈る、南の海辺を舞台にした物語。

『めがね』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。


田舎暮らしに憧れる人は多いけど、実際に田舎での生活をしてみれば思ったほど良くないと感じる人は少なくないのではないかと思います。だって毎日毎日怖いくらい何も起きなくて、何かするには自らその何かを起こさないといけないか、その退屈を楽しまないといけないのです。常に外的な刺激が無いと退屈で生きていられないような人は田舎暮らしは出来ません。田舎生活を楽しむ才能。それが「ここにいる才能」だったり「たそがれる才能」だったりするわけです。


その才能があると言われながらも、その人たちとの生活に馴染めないタエコが一度は逃げ出すところはすごくよかった。というのも、やはり普段からプライベートな空間を持ち、それを大事にしてきた人が急に自らの空間を侵食されたらそういう反応示すよなあととても共感できたのです。
次第に心を開き、その才能というか田舎での生活を楽しむようになっていく流れは見ていて爽快でした。


それにしてもこの作品に出てくる食べ物はどれもこれもすごくおいしそうで、特に朝ごはんとかき氷の魅力は絶大でした。白いご飯と自家製の梅干、そして取れたての野菜という品揃えは毎日でも食べたいと思うし、かき氷なんて自家製のあずきの上に氷をのせて最後に白ミツをかけると言う、もう甘党には失神モノの素晴らしさ。食べたこともないけども、見ているだけで食べたくなってくるのです。おいしそうだなあ。。。


映像の美しさ、ストーリーとも言えないような凡庸な毎日。正直、見方によっては退屈な作品とも言えるのですが田舎住まいの才能のある私にはとても楽しめる作品でした。


そういえば。タエコはヨモギに先生と呼ばれてたけど、結局何の先生だったのだろう?

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