「スノーピアサー」見たよ


2014年7月、地球温暖化を防ぐため化学薬品が撒かれた結果、地球は新たな氷河期に突入した。それから17年が経った2031年。地球上を走る列車“スノーピアサー”が、生き残った人類にとって唯一の生存場所だった。最後の人類を乗せたこのノアの箱舟は、先頭車両に乗る上流階級によって支配され、後方車両の乗客は奴隷のような扱いを受けていた…。

『スノーピアサー』作品情報 | cinemacafe.net


MOVIX宇都宮で観てきました。ポン・ジュノ監督最新作。

「地球の温暖化を防ぐために使われた冷却剤が効きすぎて氷河期へ突入してしまった17年後の世界」という、笑えるようで笑えない近未来を舞台にした作品でしたが、予告を観て抱いていた期待ほどではありませんがじゅうぶんおもしろかったです。

「最後尾の車両に住む最下層の人たちが、立ちはだかる敵を倒しながら上流層の人たちが住む前方車両に向かって進む」というのはすごくよかったです。というのも、通常は身分に格差のあるものの住む場所を区別するのは上下というのがわりと一般的ではないかと思いますが、この作品では上下ではなく前後で区別していたのがすごくおもしろいなと。

一般的には下に住むのが貧しい人たちで上に住むのが上流階級な人たちとした方が設定としては分かりやすくなるのですが、一方でなんとなくリアル過ぎて生々しいというかちょっとえぐい気がします。それに比べると、上下を前後に置き換えた方がわかりやすさはそのままで生々しさが緩和されてほどよくなります。さらに前に進むという行為自体がすごくポジティブな印象を受けるために、成り上がる→前身するみたいな印象も残します。

いいことづくめ!

最初は「世界を走り回る列車って...」なんて思ってましたが、あれこれ考えてみるとすごくよいアイディアだと感心しました。


あと個人的に一番好きなシークエンスは、子どもたちが授業を受けているシーンです。そしてここで先生役としてアリソン・ピルが出ていました。
アリソン・ピルは、この列車を作ったウィルフォードの業績や彼自身を崇拝させるために子どもたちに授業が行うという役でしたが、何かここだけものすごく雰囲気が独特だと感じました。つねに前方車両に行くことを、そしてウィルフォードを倒すことばかりを考えるシーンが多いこの作品において、ここだけはそのミッションやら緊張感がごっそりと抜け落ちていたように感じられました。

うまく言えないのですが、なんか催眠術にかけられたようなものすごく違和感の残る不思議なシーンでした。


ちなみにわたしはポン・ジュノ監督の作品は「母なる証明」しか観たことがないので、正直この作品が監督のフィルモグラフィーの中でどのような位置づけになる作品なのかはわかりません。「母なる証明」に比べると、気持ち悪さは感じない分見やすいしおもしろいなというくらいの感想しかもてないのがいささか残念です。

グエムルはみてみたいよね。


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