最近読んだ本の感想(2014/2/1〜2/11)


2月1日から2月11日まで読んだ本の感想まとめ。

9. 勝負論 ウメハラの流儀

17歳で世界大会に優勝し、「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネスにも認定されている著者が、「勝負」についての考え方を余すところなく綴る。「勝ち続けることと単発の勝ちはどう違うのか」「どうして僕は勝ち続けられるのか、読者がそれぞれの世界で勝ち続けるにはどうすればいいのか」。目先の勝利にこだわらず、成長を続けることで「勝ち続ける自分」を築き上げてきた著者が、自らの経験をもとに明かす「実践的勝負哲学」。

http://www.amazon.co.jp/dp/4098251817

カプコン系の格闘ゲームをやっている人でウメハラの名前を知らない人はいないくらい有名なゲーマー、梅原大悟の著書ということで読んでみました。ちなみにこの本は2冊目だそうでして1冊目の方がかなり売れているようですがそちらは未読です。


本書は格ゲー世界最強と呼ばれている彼らしく、「勝ち続けるためにはどうすればいいのか?」というテーマについて書かれています。
ただし彼が書いているのは「格ゲーで勝ち続ける方法」といったニッチな方法論ではなく、もっと普遍的な生きる上で勝ち続けるために必要な心構えや行動についてこうあるべきだと述べています。

わたしは勝ち続けると聞けば「100戦して100回すべて勝つこと」かなと思うのですが、彼はそういった状況を勝ち続けていると想定しているわけではないようです。そのあたりのことはあまり具体的にではなく、ややぼんやりと「こうあるべき」「自分はこう考えてやってきた」といったことが書かれています。そしてそれらを総括すると「勝ち続けるというのは昨日の自分に勝ち続ける」ということなのかな?とわたしは受け止めました。

つまり「目先の勝ちにこだわりすぎず自分が成長できるように行動すべき」だということのようです。
そうやって昨日の自分に勝ち続けることが自身の定常的な成長につながることが大事だというのが本書の内容でした。


格ゲーに寄った話を避け、なるべく一般的な話に終始していたために格ゲーをやらない人にもかなり読みやすいのではないかと思いますが、一方で彼の考えをより正確に知るためには格ゲーをやってたときの経験談なりそのときの視点を見せてもらった方がもっと伝わったんじゃないかなと思います。もうちょっとゲームの話があってもよかったかなという気がしていますが、これはこれでおもしろかったです。


あとはこの内容であればもうちょっと短くなると思いますし、つまり同じことを言い方もさほど変えることもなく何度も書かれていたのはちょっと冗長かなと思いました。


10. 17歳は2回くる おとなの小論文教室

17歳は2回くる おとなの小論文教室。(3)

17歳は2回くる おとなの小論文教室。(3)

悩みは可能性だ。おとなになっても思春期はくる。自分も明日も人間関係も揺らぐけど、それでいい。自分の潜在力を生かすための思考法。「ほぼ日刊イトイ新聞」大人気コラムの単行本化。

http://www.amazon.co.jp/dp/4309017460


ずっと前から36歳の誕生日に読み直そうと考えていたので、一度読み直してみました。
前に読んだのはたしか30歳になる前だったと思いますが、当時は自分の置かれている状況や自分自身のスキルに不安があってこの本を読みながら自分は果たして2回目の17歳を迎えたときにどうなってしまっているのだろうかと不安になったことをおぼえています。あれから7年くらい経っていまの自分をみてみると、最近足元がぐらぐらするような大きな揺れというか悩みとはまったく無関係なところで生きていることに少し不安をおぼえました。

あの頃の方がもっとまじめに生きてた気がするな...。読み終えてひさしぶりに自分と向き合いたくなりました。


あと「普通の人」というタイトルの話が載っててこれがすごくおもしろいです。
みんな空を飛べるのに自分だけ飛べない世界、そして自分だけが目の見える世界。自分の想像力がいかに足りていなかったのかということをつよく意識づけられる物語でした。

11. ランナー

ランナー (幻冬舎文庫)

ランナー (幻冬舎文庫)

長距離走者として将来を嘱望された高校一年生の碧李は、家庭の事情から陸上部を退部しようとする。だがそれは、一度レースで負けただけで、走ることが恐怖となってしまった自分への言い訳にすぎなかった。逃げたままでは前に進めない。碧李は再びスタートラインを目指そうとする―。少年の焦燥と躍動する姿を描いた、青春小説の新たなる傑作。

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走ることが好きでずっと走っていた少年が、大会で一度負けてしまったことをきっかけに走ることが怖くなって部活をやめてしまうというお話。生来、我慢強いために自分の中にいろいろなことを抱え込んでしまうことが多い長距離走者の類型として少年を描いていたように読めました。話自体はおもしろくないわけではないし登場人物はすごく個性的でよいと感じましたが、全体的に腑に落ちない構成であまり好きなタイプの作品ではありませんでした。


「走ることは生きること」だという人がいますが、おそらく本心からそう言える人が根っからの長距離走者なんだろうなと思いました。