「俺俺」見たよ


郊外の街に住み家電量販店で働いている俺、永野 均(亀梨 和也)。ある日、ハンバーガーショップで隣の席に座った男の携帯電話を持って帰った俺は、成り行きでオレオレ詐欺をして、あっさり90万円を手に入れてしまう。翌日、仕事を終えて家に帰ると、家には見知らぬおばさんがいて、俺のことを息子だと言って疑わない。わけがわからないまま実家に帰ってみると、別の男が“俺”として出現! 彼は「均」を名乗る。俺の家族も俺を不審者扱い。その「均」は、先週また別の男が「均」だと言って現れたという。気づけば俺が増殖していく。やがて俺同士の削除が始まり…。

『俺俺』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。

インスタント沼」以来、約4年ぶりとなる三木監督の作品が公開されるということでかなりたのしみにしていました。「インスタント沼」は近くでの上映がなくてやむを得ず川崎まで観に行ったのですが、今作は最寄りの映画館でも上映してくれたおかげでお手軽に観ることができました。

映画2本分の交通費と時間(+映画本編の鑑賞料金と時間)をかけて都内に映画を観に行くのって正直いまは厳しかったので、近くでやってくれてよかったです。


本作は他人の携帯電話を手に入れた男性がその持ち主に成りすまして90万円を手に入れたんだけど、その直後から見た目は変わらないけど携帯電話の持ち主になってしまい、さらに自分のいた場所には自分そっくりの他人が現れて...というちょっとユニークなお話です。現実のようだけどどこか微妙に違っているそんな不思議な世界観はまさに三木監督の作品らしくてよかったです。

ただこの作品が好きかどうかというとまた難しいところでして、独特な世界観はおもしろいしよかったのですが、映画として好きかどうかというと正直好きではないなと思うのです。はっきりと言えば「楽しくてすごいよかった」とは言いがたかったかなと。


物語は一見とてもシュールな方向に舵を取り、自分の認知しないところでどんどんと自分が増えていくという不思議な話にも見えるのです。ところが、結局のところ作中で語られた「自分の中にも許せる自分と許せない自分がいる」という言葉がこの作品のすべてを言い表しているとおり、自己認識の問題を扱った話であって観ているうちに不思議というほど不思議な話ではないなと気付いてしまったのです。


わたしは「インスタント沼」のようなくだらなくて笑えるけどでもそんな中にも言いたいことがしっかりと埋まっている作品が好きなんだけど、この作品からはそういった良さがあまり感じられませんでした。単にわたしの好みと作品の方向性が違ってたっていうだけなんですけどね。期待していた分、ちょっと残念でした。


そういえば、この作品に内田有紀が出ていてひさしぶりに見たのですが相変わらずきれいでドキドキしました。



三木監督作品のヒロインといえば麻生久美子のイメージがあったのですが、麻生さんも内田さんも年を重ねることでよりきれいになっていくタイプでして、監督はこういうタイプが好きなんだろうなと勝手に納得していました。私も大好きです!(告白)



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