夏休みに山奥へとバカンスへでかけた大学生5人。古ぼけた山小屋の地下で見つけた謎の日記を読んだとき、何者かが目覚め、ひとり、またひとりと殺されていく。しかし、その裏に若者たちが「定番のシナリオ通り」死んでいくよう、すべてをコントロールしている謎の組織があった。その組織の目的は? 若者たちの命は? その先には、世界を揺るがす秘密が隠されていた――。
『キャビン』作品情報 | cinemacafe.net
(注意) 本エントリーは作品の内容に触れている部分があるので未見の方はご注意ください。
シネプレックス水戸で観てきました。
近くでの上映予定がなかったので最初は存在すら知らなくて完全スルー予定でしたが、あまりの評判のよさに耐えきれず最寄りの上映劇場のある水戸まで観に行っちゃいました。
水戸と言えば高崎と並んで宇都宮のライバル都市として名をはせている北関東の雄ですが、7年近く前に1度だけ行ったことがあります。
マコ*1の大学時代の友だちの結婚式があるというので1歳になる長女と3人で車に乗って一般道で行ったのですが、具体的な時間はおぼえていませんがわりと近かったような印象が残っています。なので「北関東自動車道があるいまだったらもっと近いはず!」とたかをくくっていたのですが、高速をぶっ飛ばしても1時間以上かかる遠さでして、ちゃんと地図を見てから決断すればよかったと道中後悔をしながら移動しました。
水戸、遠かったです...。
さて。
そんな苦労の果てにやっと観た「キャビン」ですが、期待していた以上にとてもユニークなおもしろい作品でした。
なにを書いてもネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、「恐れ知らずの若者たちがアウトドアに出かけたらひとりひとり殺されていく」というホラー映画定番のネタをメタな視点からばっさりと切り捨ててしまっただけでもすごいのに、そこからさらにホラー映画が好きな人にはたまらない展開・映像続出でして、さほどホラー映画の知識がないわたしですらうれしくて悶絶してしまいました。
ホラー映画に舞台裏があるという発想自体はわりと共感をおぼえるというか、わたしもそういう妄想をしたことがあるのでアイディア自体がユニークというわけではないのですが、それを違和感なく1つの作品としてまとめていたところがとにかくすばらしかったなと。
わたしは予告も観てなくて、ストーリーの概要すら読まずに観たのでよけい驚きでいっぱいになりました。これは予備知識ゼロで観れば観るほど楽しめる作品ですので、未見の方はとりあえず何にも情報を仕入れずに劇場に突入することをおすすめします。
ホラー映画が苦手という方もいるかも知れませんが、細かいことは抜きにして今年押さえておくべき一本だと思います。
必見!
以下、ネタバレ込みで続きます。
本作は「若者たちが湖畔のロッジで次々と惨殺される」というホラー映画でよく見かけるあのシチュエーションはある組織によって人工的に作られたものであり、その組織によって選ばれた若者たちはそこで自らが対峙することになるモンスター(ゾンビや連続殺人鬼、半魚人といった人を殺すことに長けた怪物たち)を自主的に選ばされたうえで生贄として殺されているというとてもユニークな設定となっています。
とにかく怖くて震えることが多かったこの作品ですが、わりと笑えるシーンも多かったのが印象的でした。
そしてわたしがいちばん笑ったのは半魚人が出てくるシーンです。
作中での前ふりがたいへんすばらしかったので出てきてほしいとずっと思っていたのですが、ここぞ!というシーンでしっかりと出てきてくれてもう大興奮でした。作品自体がそういう内容なのですが、観たいものを最良の状態で提示してくれるというのはそれだけで好感がもてます。
さらにこのような若者たちの命を搾取するためのイベントは、全世界各地で行われていて地域ごとにどのような設定をするのかは異なっている点も非常におもしろいです。たとえばアメリカの設定は上述したような内容でしたが、日本では小学校のクラスが舞台となっていて教室に閉じ込められた子どもたちが狙われています。
ではなぜわざわざそのようなことをするのか?というと、地中深くに眠る古代の神々に定期的に若者の命をいけにえとしてささげなければ世界は滅びるらしく、つまり世界の崩壊を食いとどめるためにこのようなことを世界中で行っているということでした。なんだそれ...(笑)
このあたりは他のネタバレサイトに詳しく書いてあるのでそちらを読んでいただくか、もしくは映画を観ていただければ納得のいく内容が示されていると思います。
とにかく変だけどたのしい作品でした。
公式サイトはこちら
*1:妻