「食堂かたつむり」見たよ


失恋のショックで声を失った倫子(柴咲コウ)は、子供の頃から苦手で自由奔放な母・ルリコ(余貴美子)が暮らす田舎へ戻り、小さな食堂を開いた。お客様は一日一組だけ。メニューはなく、お客様との事前のやりとりからイメージを膨らませて料理を作るのだった。訪れるお客様の想いを大切にして作る倫子の料理は、食べた人の人生に小さな奇跡を起こしていく。そして、いつしか「食堂かたつむり」で食事をすると願いが叶うという噂が広まっていった。そんな矢先、倫子はルリコからあること告白される…。

『食堂かたつむり』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。


観ていて感じたのは、柴咲コウはいい女優になったなあーということと、だけど主演作は呪われたようにヒット作には恵まれないなーということだけでして、この2つが頭のなかをぐるぐるめぐってしまいました。きっと少林少女の呪いに違いありません。2年経っても呪縛が解けないとは恐ろし過ぎます。
この作品は決しておもしろくなかったというわけではありませんが、作品全体を振り返ってみても見所や印象に残るところが特になくて、自分が2時間も映画を観ていたことが現実なのかどうかいまいち実感のわかない作品でした。主人公の倫子のように、何を主張するでもなく自らのあるがままを見せるだけの内容でした。


と、こんなことを書いた後に書いても信用してもらえないかも知れませんが、わたしはこの作品の主張の無さというか観終えたあとに何も残さない空気のような後味にはすごく好印象を抱きました。穏やかに、だけど確実に過ぎていく毎日をむやみと誇張することなく淡々と描いていることにわたしはとても安心をおぼえます。ただ、あまりに穏やか過ぎてもう少し演出してもいいんじゃないかと思いますすが、一方で、そうやって演出をしてしまうことで静謐で美しく描かれている日常が失われてしまうことがとてももったいないなーと矛盾したことを考えてしまいます。


観た上での直感としては、たぶんこの作品がヒットすることはないだろうなあ...というのが率直な感想ですが、それでもわたしはこの作品を全力で支持したいと思います。


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