幸せの1ページ


アレクサンドラ(ジョディ・フォスター)は、大人気の冒険小説家。しかし、引きこもりの彼女が書くヒーローは、空想で作った理想の男性像だった。そんなある日、アレクサンドラは南の島の少女・ニム(アビゲイル・ブレスリン)から、物語のヒーロー宛のSOSのメールを受け取る。ジャングルで独りぼっちのニムを救うため、アレクサンドラは初めて家の外へ出て、サンフランシスコからボルネオ、そして南太平洋へと旅立つ。しかし、数々のトラブルがアレクサンドラを待ち受けていた!

『幸せの1ページ』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。ジョディ・フォスター最新作。
ジョディ・フォスター扮する引きこもりの冒険小説作家アレクサンドラが、わけあって南太平洋の島まで大冒険する物語...がメインだと思っていたのですが、それと平行して*1無人島で父親と暮らしていたニムが父親が嵐で遭難してしまい帰れないその間をたくましく生きぬいていく物語が進行します。
11歳のニムが、その可憐な容姿からは想像できないほど野性味あふれる行動力を発揮し、さらに島にいる動物たちと力をあわせてさまざまな苦難を乗り切る様子はまさに子どもの頃にあこがれた大冒険が楽しめてとてもよかったです。


この作品でとても面白いと感じたのは、引きこもりのアレクサンドラと無人島で暮らすニムそれぞれの行動を対照的に描いているシーンです。
引きこもりのため、一歩も外に出たくない、人と話したくないアレクサンドラは家の門にある郵便受けに行くのも億劫であり、家の一歩外に出るのさえ彼女にとっては大冒険なのです。結局、どうしても出たくなかったアレクサンドラは明日取ろうと逃げてしまったので、彼女の冒険は失敗に終わるのです。
そして一方ニムはというと、アレクサンドラから「本物の火山の火口はどういうものか?」と質問されたので、ひとりで火山へ登り火口を覗いて帰ってきます。
2人の挑んだ冒険の規模の大きさの違いと、両者が達成/諦めに至るまでの対照性がとても面白いなと感じました。


そういえば、わたしは、今このブログを書き始めるまで主演がジョディ・フォスターだと言うことをすっかりわすれてしまっていました。
それは上記のとおり、ストーリーの中心にいたのがニム寄りだったということもありますが、それ以前にジョディが出ていた事すら頭の中から消えてしまっていました。わたしが彼女をイメージするとき、「知的」であり「冷静沈着」であるキャラクターを想像します。なので、今回演じたようなコメディエンヌとしての一面がどうも彼女のイメージと合致しなかったのです。
ところが今回彼女がそのようなキャラクターを演じたことに対して違和感を感じるのではなく、むしろ彼女であることすら忘れてしまうくらい全くの別人のようにアレクサンドラを演じきっていたのはさすがだと感心してしまいました。感心っていうとえらそうだから感激と表現してもよいのだけれど、とてもいいなと感じました。


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*1:観た印象としてはむしろこちらがメインストーリーのような気がするのですが