スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師


物語の舞台は19世紀のロンドン。フリート街で理髪店を営むベンジャミン・バーカーの幸福な日々は、ある日突然打ち砕かれた。彼の幸せを妬んだ悪徳判事ターピンによって無実の罪を着せられ、監獄へと送られたバーカーは、15年後に脱獄を果たし、“スウィーニー・トッド”と名前を変えてフリート街へ戻ってくる。しかし、大家のミセス・ラベットから聞かされたのは、耳を覆いたくなるような妻と娘のその後。妻はターピン判事に追いつめられて毒をあおり、ターピンの養女となった娘はずっと幽閉されたままという。フリート街に再び開いた理髪店。商売道具のカミソリを手に、スウィーニー・トッドの復讐が始まる――!

彼の共犯者となるのは、ロンドンで一番まずいパイ屋を営む大家のミセス・ラベット。死体の処理に困ったスウィーニーに彼女が持ちかけたアイディアは、死体も消えてなくなるし、パイ屋も繁盛するという一石二鳥の妙案だった……。ペダルひとつでクルリとひっくり返るどんでん仕掛けの散髪椅子、2階の理髪店から階下のパイ屋へ直行する死体。突然おいしくなったミセス・ラベットの特製ミートパイはロンドン中で評判を呼び、次から次へと飛ぶように売れていく!

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=7707

宇都宮ヒカリ座にて。
客の首を掻っ切ってしまう理容師と、その死体をパイの具として使おうと提案して本当にそれで商売をしてしまった(しかも大繁盛)パイ屋という狂気に満ちた人たちの織り成す物語。ストーリーの概要だけを読むとまともに見れないようなシーンばかりになってしまいそうですし、たしかにそのように感じるシーンも少なくはありませんでしたが、作品がミュージカル仕立てのためか、全体としては暗い印象を残さない不思議な作品でした。トッドなんて、これから客を殺そうと言うシーンでも楽しそうに歌うもんだから全然悲しくないのね。
そのギャップと言うか違和感がすごく新鮮でよかったです。


それとストーリーについてですが、単なる猟奇的な話として終わるのではなく、ちゃんとした結末が用意されていたのには非常に感心してしまいました。感心したというと偉そうなので、感動したという言い回しがいいような気がするのですが、復讐のためにたくさんの人を殺しちゃいましたっていうだけじゃなくて、トッド自身が自分の行った行為を省みるタイミングがあったことにとても驚いたのです。
あの気付いた瞬間のトッドの表情はすごくグッときました。


そういえば、トッドもラベットもすごく顔色が悪かったのですがあれはなにかを暗喩しているのか、それともそういう演出なのかすごく気になりました。どうしたってあんな顔で歩き回ってたら不審者扱いされそうなもんなんですけどね。

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