シャッター


挙式を済ませたばかりの新婚夫婦、ベン(ジョシュア・ジャクソン)とジェーン(レイチェル・テイラー)は、カメラマンであるベンの仕事を兼ねて日本に新婚旅行にやって来た。だが、楽しいはずのハネムーンは、夜道にたたずむ女性(奥菜恵)を轢いてしまったことから一変する。忽前と現場から姿を消す、女性。事故の後遺症らしきベンの肩の痛み、ジェーンを神経質にさせる風の音、彼らが撮った写真に写る白い滲み…。そして異国の地で孤独を感じるジェーンの前に、その女性は現れる。次々と、周囲の者が不審な死を遂げることに不安を抱くジェーンは一人で調査を始め、彼女の過去を徐々に明らかにしていく。そこには、あまりにも悲痛な過去が…。

『シャッター』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。
ストーリーの大半が日本を舞台にしている点と奥菜恵のハリウッドデビュー作という点が話題になっていましたが、日本的なぞっと背筋の寒くなる怖さとアメリカのホラー映画にありがちなどっきりびっくりな怖さがまぜこぜになっていて、ホラーとしても十二分に楽しめる作品に仕上がっていました。
特に私はラストシーンがすごく気に入りました。あのシーンを見た時に感じた胸の奥の部分をワシっと握られてしまったよう感覚は他に観たどのホラー作品でも味わえなかった感覚だし、ハッピーエンドともバッドエンドとも受け取れる*1あのシーンに思わず見入ってしまいました。どんなことをされても好きな人と一緒にいたかった彼女の執着心の強さがぐっときました。
すごく面白かったです。


この作品では人の情念/怨念を扱っているのですが、わたしはそういう非科学的なものを否定できない程度の信仰心(少なからず頭ごなしには否定できない程度の信じる気持ちというレベルですが)があります。途中、心霊写真が壁一面に貼ってあるシーンがあるのですが、あの心霊写真のオンパレードのシーンは本当にぞっとするし、そういったジワジワくる怖さみたいなものはとても伝わってきました。


ラストシーン以外でとても好きなシーンがひとつあって、それはスタジオに閉じ込められたベンが暗闇の中で逃げ惑うシーンなのですが、暗闇をフラッシュが照らすその一瞬しか周囲を見渡せず、光るたびに徐々に近づいてくるメグミから必死で逃れようとするのがとてもドキドキして楽しかったです*2


などと、いろいろと怖かったことや驚いたことを書きましたが、一番驚いたのは「奥菜恵ってこんなにかわいかったっけ?」ということです。不意に現われては主演の2人やその友達を苦しめるわけですが、それが怖いのは出てきた瞬間の一瞬だけでそれ以外はもうかわいさばかりが目に付いて「こんな幽霊だったら俺も襲われたいな」などと思いながら観てしまいました。
またそのかわいさばかりではなく、生前のシーンで見せるちょっと奥手な感じの女の子の役作りがとてもキュートでそれもまたすごくいいなあと感じてしまいました。
最近めっきり見かけなくなっていた奥菜さんですが、これをきっかけにより多くの作品に出てくるようになって欲しいなと思いました。


作品が作品なだけに、ホラーが好きな人向けと思われがちですが、奥菜さんの事が好きな/好きだった人こそ絶対に観にいくべき作品だと断言します。


公式サイトはこちら

*1:私はハッピーエンドだと感じました

*2:怖かったのと同時に、以前ディスコでレーザーが点滅して周囲が明るくなるごとにポーズを変えるというコントを思い出して笑ってしまいました