ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習

アメリカの文化をリポートする番組制作の為、カザフスタンよりNYにやってきた突撃テレビレポーター:ボラット。ある日TVドラマ「ベイウォッチ」の再放送で目にしたアメリカの聖女パメラ・アンダーソンに一目惚れ。彼女を妻に娶ろうと、いざ彼女の住むLAへ!ボラットあるところに事件あり。
文化間の違いによるドタバタ珍道中の果てに、ボラットはパメラに出会うことができるのだろうか??

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=8059

TOHOシネマズ宇都宮にて。

一目ぼれという言葉が適切かどうか分からないけれども、この作品の予告編を見たときに一発で気持ちを持っていかれました。「見たい」なんていう柔なものではなく、「見なければいけない」というくらいの熱い気持ちが湧き上がったのを覚えてます。
そのくらい予告が衝撃的。ボラットのストレートで差別的な発言と、それを受けた側の表情・態度の崩れ方がもうたまりませんでした。そんなわけで初日に見に行ってしまいました。
# そもそも宇都宮で見れるとは思っていなかったのでとても嬉しい誤算でした


ボラットの悪ふざけや差別発言は、演出とは言え度を過ぎていると言って間違いではないと思います。人種、障害者、レイプ魔。そういった言葉が間を置かずに連呼されるため、その言葉自体に不快感を覚える人には絶対にお奨めできません。
もちろんそういった差別を許すのか?と言われても許容するとは言えません。ですが、言ってはいけない事を一番言ってはいけない人に対して堂々と言ってしまう人を見て思わず笑ってしまうという、この行為自体に後ろめたい気持ちを感じてしまいます。ただ、それが気持ち悪いかと言われると全然そうではなくて、その背徳感が楽しくて楽しくてしょうがないのです。


随所に盛り込まれた毒がアメリカの抱える問題を...なんていう記事を見かけましたが、そんな小難しいことは抜きにしてとことん楽しめる作品でした。上に書いたとおり、差別自体が好きではない人こそ、背徳感に悶えられるのではないでしょうか。
# この作品で大いに悶えさせてもらった私は差別が大嫌いです。


ちなみに、この作品はカザフスタンとは一切何も関係ないそうです。そういういい加減さも素敵です。

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