ラブソングができるまで


 1980年代に爆発的な人気を博した5人組バンド“PoP”。ダブルボーカルのひとり、コリンは、その後ソロ・アーティストとして活躍し、グラミー賞アカデミー賞を受賞したばかりか、ハリウッドの殿堂入りも果たし、おまけに“サー”の称号まで手に入れた。
 では、もうひとりのボーカル、アレックス・フレッチャー(ヒュー・グラント)はどうなったのか?
 彼もコリンに続いてソロ・デビューをしたのだが、無残な酷評にさらされ、今やすっかり「あの人は今」グループの仲間入り。80年代を懐かしむ元“ギャル”たちが集まる小さなイベントに時折お呼びがかかるものの、その手の仕事も減る一方のジリ貧状態。
 そんなアレックスに、願ってもないカムバックのビッグチャンスが訪れた。当代きっての歌姫として若者に絶大な人気を誇るカリスマ的スーパースター、コーラ・コーマン(ヘイリー・ベネット)から、新曲を提供してほしいというオファーがあったのだ。最近カレと別れたばかりだというコーラは、新曲のタイトルを「Way Back IntoLove(愛を取り戻す方法)」と指定。コンサートが2週後に迫っているため、曲作りにかけられる時間はほんのわずかしかない。さらに、他にも7人のアーティストに同じオファーが出されており、彼女が曲を気に入らなければそれでボツ。
 厳しい条件にしり込みをしながらも、マネージャーに背中を押され、ようやく10年ぶりに曲を書き始めたアレックス。しかし、彼には作詞の才能がまるでゼロ。一流という触れ込みの作詞家とコンビを組んでみたものの、彼とはどうしてもフィーリングが合わない。そんな時、アレックスのアパートに鉢植えの世話に来ていたアルバイトの女性がつぶやいたフレーズがアレックスの心を捉えた。
 彼女の名前はソフィー・フィッシャー(ドリュー・バリモア)。ふだんは姉の経営するダイエット専門店を手伝っているというソフィーは、もともとは有望な作家の卵だったにもかかわらず、失恋の痛手から今は書くことをいっさいやめてしまっていた。彼女をふった元カレは、創作の師でもあった有名作家。実は彼には婚約者がいたことが発覚したうえ、彼が書いた小説の内容がさらに彼女を傷つけた。主人公は、有名作家を利用してのし上がろうとする才能のない性悪女。その外見や癖がソフィーそっくりに描かれていたのだ。
 それ以来、何も書けなくなってしまったソフィーは、一緒にラブソングを作ってほしいというアレックスの頼みを断固拒否。それでも彼女の才能を確信するアレックスは、PoPの追っかけだったソフィーの姉も巻き込んでしぶとく説得を続け、ついに彼女の心を動かした。
 期限まではあと3日。波乱だらけのラブソング作りはまだ始まったばかり……。

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=7917

Movix宇都宮にて。

いかにも80年代といった曲で始まるのですが、これまた笑っちゃうくらいそれっぽい。
正直80年代と言われても、当時2〜12歳程度の年端もいかないガキんちょだったので実際にこういった音楽を聴いたことがあるわけではありません。でも聴いたら間違いなく今現在ではない、ちょっと前の時代を思い出させるようなそんな曲なんです。


そんな過去のヒット曲にしがみついて生きているアレックスが作曲し、元作家志望のソフィーがそれに歌詞を付けて曲を作り上げていくのですが、これがまた見てて楽しい。時にはお互いの想いをぶつけ、また時には自分の過去をさらけ出しながら一つの成果物を作り上げていくのです。システム開発の手法でペアプログラミングというのがあるのですが、それに似た感じ。曲という一つの結果を求め、互いに異なる役割を果たしていく過程そのものがとても楽しく感じました。


全体をとおして何度か合ったアレックスとソフィーが意見をぶつけ合うシーンはどれも良かったです。中でも、曲のアレンジについて意見を言いたいソフィーと今の仕事を失いたくないアレックスが怒鳴りあうシーンはとても印象的でした。
「あなたには信念が無さ過ぎる」ってのにはちょっとドキッとさせられるます...。いや、アレックスの迎合っぷりはたしかにひどかったけど、まさかそこまで言っちゃうとは思ってなくて思わず自分に言われたかのように焦ってしまいました(笑)
# 普段自分が自分に感じている事のNo1は信念が無いなんですよね。。。


何はともあれドリュー・バリモアはすごい素敵でした。


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