ひさしぶりに本を読んだ

今日は4日ぶりに出勤して仕事をしてきました。
往復1時間の徒歩通勤もめんどくさかったし、周囲の音も結構気になっていろいろとはかどらなかったしリモートワークのほうがいいななんて思った1日でした。今日は走る予定はなかったので帰宅してからはのんびりと過ごしました。

さて。今週はひさしぶりに本を読みました。

ツナグ(新潮文庫)

ツナグ(新潮文庫)

ツナグ 想い人の心得

ツナグ 想い人の心得

どちらも読んだことがあるので再読なんですが改めてすごいいい本だなと思いながらじっくりと読みました。


亡くなった人と会わせてくれる使者(つなぐ)という存在を描いた作品なんですが、もともとこの作品のことを知ったのは映画化されたことがきっかけでした。映画が公開されたのは2012年なのでもう8年前なのですが、当時はまだ原作者の辻村深月さんの本を読んだこともなかったので完全にキャスト目当て(松坂桃李くんと大野いとさん)で見に行きました。

itotto.hatenadiary.com

個々のエピソードそれぞれがもうすごくおもしろいのですが、すべて見終えたあとで振り返るとそれぞれのエピソードのユニークさが「人生は人それぞれ」なんだということを強く感じさせる構成になっていて、じゃあ自分だったらどうなんだろうと思いを巡らせずにはいられなくなるのです。もうすごくよくてすぐに原作まで読んじゃったくらい好きなんですが、今回読み直してみてこの作品から見えてくる世界が以前とは少し変わったような気がしました。

以前は「自分が死んだ人に会うなら誰に会いたいのか?」と自分が会いに行く側で考えることが多かったのですが、今回は「自分に会いに来てくれる人はいるのか?」とか「会いに来てくれた人の中から誰に会いたいのか」と考えることが多かったです。実際に作中でもそんなセリフが出てくるところもあって、ずっと地元の歴史を研究し続けてきた80歳を超えたおじいちゃんが「70代までは自分の人生の意味だとか考えたことがなかったけど、80歳になってからは誰かに会いに来てもらえるような人生だったのかどうかが気になるようなった」と語るエピソードがあります。昨年読んだときはまったくそこは響かなかったのですが、今回はなんかすごいわかるなーと思いながら読んじゃいました。

死と向き合う機会がなければ「自分が死んだら...」なんて真剣に考えることもないですし、そういう意味では相応に歳をとって人生の終わりを意識するようになるとそんなふうに自分が生きた意味だとかそういうことを考えちゃうのかなという気がしています。

ひさしぶりに原作を読んだらまた映画が見たくなりました。