【PS4】人喰いの大鷲トリコ Value Selection
- 発売日: 2018/11/21
- メディア: Video Game
1. プレイ時間 - 15時間くらい
2. ジャンル - アクションADV
3. 機種 - PS4
4. 感想
[良かった点]
(1) トリコがかわいい
(2) いっしょにいるだけでどんどんトリコに愛着がわいてくる
(3) 謎解きが解けたときめちゃくちゃ気持ちいい
(4) 操作がシンプルで難しくない[悪かった点]
(1) やること自体がとても単調なので長い時間は続けられない
(2) 高所恐怖症にはつらい
前から気になっていたものの何となく買う機会がなくてやらずじまいでしたが、セールで1500円で売ってたので買ってみました。
ひととおり終えてみての感想はとてもおもしろかったです。
「目が覚めたら目の前によくわからない大きな動物がいて食べられそうになる」という出だしからとてもよかったのですが、始まっても目的は何も示されずにただ今いる場所から抜け出せる場所を探してトリコとともにひたすらさまようという明確な目的のなさがとても新鮮でした。目的もなくいまいる場所から別の場所へと居場所を変えていくのですが、でもだからといって何かが大きく変わるわけでもなく、ただただひたすらわたしとトリコはここではないどこかへ行こうとさまようだけなのです。
このゲームには最初から目的が示されていないので結果としてさまようだけになってしまうのですが、でも「どこかに抜け穴はないか?」とか「どこかにドアを開けるスイッチがないか?」とか次の場所に続く道を探し求めることに集中しているといつの間にか頭の中はそのことだけになって熱中できるのでとても心地よく感じました。
そうやって謎を解いて進んでいく中で、ときには断崖絶壁から落ちて命を落としそうになったり、ときには敵に襲われて死にそうになったりするわけですが、そんなときにはいつもトリコが助けてくれます。最初はトリコの前で気を抜いたら食べられちゃうんじゃないかとビクビクしていた自分も、いつしか困ったらトリコのことをまっさきに呼ぶくらいに信頼するようになっていました。敵に槍を投げつけられて傷ついたり、高いところから落ちそうになりながらも助けてくれるトリコはこの旅をとおして大事な存在へと変わっていきました。「最初は仲の悪かった二人が長い旅をともにしていく中で唯一無二の友だちになっていく」というロードムービーの醍醐味のような展開がこの物語には埋め込まれていて、自分でも驚くくらいどんどんトリコのことが大事になっていきました。
ゲーム自体はとても単調で「謎解きをする」→「別の場所に移動する」「謎解きをする」の繰り返しでしかなく、そういう意味では1日5時間とか6時間とか遊べるゲームではないと思います。1時間も遊べば満足できます。
なので今回もプレイ時間は15時間と短めですが、遊んだ日数は10日ほどと遊んだ時間に比べてやや長めになりました。普通であれば15時間なら3日か4日もあれば最後まで遊んじゃうと思います。ただ、上でも書いたとおりこのゲームはとても単調なので1日1時間を繰り返し遊んでいると今日はもういいかなという気分になってやめちゃいます。そうやって毎日繰り返しゲームをしていると「もしかしたらこのゲームには終わりがなくてこれがずっと続くんじゃないか?」というそんな気持ちになってきます。
トリコといっしょに謎解きをしてトリコと一緒に別の場所に行く。
こんなふうにトリコとずっと旅ができるんじゃないかと思って毎日遊んでいたのですが、もちろん終わりのないゲームではないのでそんなことがあるわけもなくてトリコとの別れはやってきました。しかも突然に。
トリコとの別れが決定的になった瞬間に自分の胸に訪れた感情を自分は一生忘れられないだろうなと思いました。
これはもう人生そのものだと。トリコとともに過ごすこの変わりばえのしない日々が続くことを願い、でもかなわずに別れなければならなくなってしまった瞬間に湧き上がってきたこの感情・気持ちはおそらく自分が大事な人との別れを迎えるとき、もしくは自分自身が人生を終えるときに感じる感情・気持ちそのものだろうと確信しました。このわずか15時間の旅をとおして自分がトリコに対してそんな感情を抱いたことにとても驚いたのですが、でも自分にとってトリコとの旅はまさに唯一無二の友達になっていく旅だったなと振り返ってもそう思えるものでした。
ゲームとして不満な点はいくつかありますが、でもゲームを通して得たものが大きすぎてそういった不満はあまり気にならなかったです。後半は「もうちょっとトリコが賢く動いてくれたらなあ」と思うところもありましたが、まあ動物なんてあのくらい融通がきかないほうがリアリティがあると思います。ゲームにそんなリアリティはいらない派ですが(笑)