落とし穴はどこにだって空いている


わたしの好きな映画のひとつに「ラブリー・ボーン」という作品があります。

この作品は「学校帰りに近所に住む変態に殺されてしまった女の子がこの世とあの世の境をさまよいながらその後の顛末を見守る」というお話です。すっきりする話ではないしスピリチュアルな部分もあるのであまり他人にすすめたことはないのですが、2010年に観た映画の中でも指折りに好きな作品です。


人それぞれ映画に求めるものはさまざまあるのでしょうが、わたしは「人生を変える出会いの瞬間が観たい」といつも思っています。

とくに「人生が変わるかも」なんていう予感がなにもない平凡な日常の中にそういった瞬間が訪れるというのがすごく好きで、たとえその「起こるなにか」がいいことでもあっても悪いことであってもそういう変化の瞬間が描かれている作品はわたしの心をグッとつかんで生涯忘れられない作品として心に残ります。


何となくやり過ごした今日と同じように、明日も明後日も過ぎていくんだろうなと何気なく過ごしている日常に何の前触れもなく大きく進路を変えるようなことが起こるというシチュエーションにとても興味があるのです。


そういった視点で見ると、ずっと気になっていた男の子とやっと言葉を交わし明日会うことを約束したその帰り道に命を奪われてしまった女の子とその家族を描いたこの「ラブリー・ボーン」という作品はかなり興味を引くものでした。自分のことではないけれど、そのあまりの理不尽さに一生消えないひっかき傷のようなものが自分の中に残りました。


さて。明日は郡山で10kmを走る予定でしたので今日は大会前日にいつも走るコースを軽めに走ろうとでかけたのですが、12km手前で右足の腱が痛くて走れなくなりました。走る前は足が少し重いかな?というくらいで痛みも何もなかったのですが、10kmあたりで少し違和感が出てきたのでペースを落として様子を見ながら走っていたらとつぜん違和感がものすごい痛みに変わって走れなくなりました。


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過去に痛くなったことがある場所ではないし、痛みも経験したことのない感じだったのでどうしたらよいのかわからず、ひとまず少し休んでから歩いて帰ってきました。自宅まで1.5kmくらいあったのですが、両足ではまともに歩くこともできなくて右足を引きずりながら帰途につきました。


走る前も走っている最中もまったく怪我をして走れなくなるような予兆はなかったし、明日の郡山シティでは10kmを40分なら切れるかなと思うくらいには調子がよかったので、まさか今日のジョグでこんな怪我をしてしまうとは思ってもいませんでした。GW中は郡山を含め2つの大会に出る予定があるし、リレーマラソンの試走に行く予定もあるのですがそれが全部どうなるかわからなくなってしまいました。


今回の怪我は「ここには落とし穴なんてない」と思い込んで油断しているときこそ危険なんだという見本のような出来事でして、痛みで走れなくなった瞬間に思い出したのは「ラブリー・ボーン」で主人公のスージーが殺されてしまうシーンでした。


昨日あれこれ考えて立てた年内の予定が大きく崩れる可能性が出てきてちょっとへこんでます。


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