物語を欲する気持ち

先日日記でも書いたのですが、吉本ばななさんの「TUGUMI」を読みました。

TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)

TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)

幼いころ住んでいた町に夏のあいだだけ帰省して従妹たちと過ごすお話なんですが描かれている場面のひとつひとつが目の前に浮かんできそうなくらい状況の描写が緻密で、読みながらずっとこの作品の世界に浸り切ってしまいました。


そして火曜日の夜はやっと時間が取れそうだったのでひさしぶりに映画を観に行ってきました。
観たのは「ザ・コンサルタント



裏社会に通じている会計士が主人公のお話なんですが、これがもうめちゃくちゃおもしろかったです。
自らの頭脳と腕力で目の前に転がるすべての問題を解決していく主人公のかっこよかったし、そんな彼を生み出した原風景である幼少期の描写も大変興味深くてこれまた作品の世界に引きずり込まれっぱなしでした。130分くらいの長めの作品でしたが時間をまったく感じませんでした。


ここしばらくおもしろいアイディアが出てこなかったり考えがうまくまとまらなかったりすることが多くて、「おれもいよいよ頭がボケてきたのかな」と思っていました。ところが今週に入って映画や小説を読んでいたら、もやっとしていた頭の中がとてもきれいに整理されて考えがよくまとまるようになってきました。

これがもう冗談みたいに効果てきめんでして、いままで悩んでいたことがあっという間にいくつか片付いてしまいました。


映画を観たことや小説を読んだことがどんなふうに影響を与えたのかはわかりませんが、自分の中に新しい物語が入り込んできて一歩引いた視点で物事を見たことが何かしらよい影響を与えてくれたんじゃないかという気がしてなりません。ここ半年くらいは映画も観なければ本を読むことも減ってしまっていて、そういった創作物に感動したりワクワクする機会がまったくと言っていいくらいなかったことに気づきました。

たまには自分の中に新しい物語をインストールしないとダメだなといまさらながら反省しました。