金に困ったクズに「10日で5割(トゴ)」「1日3割(ヒサン)」という超暴利で貸し付け、容赦なく取り立てるアウトローの金貸し、闇金「カウカウ・ファイナンス」。社長の“ウシジマ”こと丑嶋馨(山田孝之)は、部下の柄崎(やべきょうすけ)や高田(崎本大海)らを従え、債務者を徹底的に追い込むことで知られていた。無職のヤンキーマサル(菅田将暉)はある日、暴走族のヘッド・愛沢(中尾明慶)の愛車を盗んでしまい、愛沢にカウカウ・ファイナンスで慰謝料を借りるように要求される。それが縁でマサルはカウカウ・ ファイナンスで働くことになるが…
『闇金ウシジマくん Part2』作品情報 | cinemacafe.net
邦画だとあなどっていたつもりはありませんでしたが、前作を観たときに予想以上にえぐい展開の連続に観終えてちょっとブルーになりました。些少なお金のために、他人を傷つけることもいとわない人や自分の体を簡単に売りさばいてしまう人。わたし自身もそれほど裕福なわけではないのですが、ここまでギリギリの生活をしていたことはありません。
ただ、ふつうに生活している人だってこういったところまで堕ちるのは決してありえない話ではないし、むしろ誰しもちょっとしたことがきっかけでこういうところまで堕ちることがあるんだよというのがこの作品では描かれていてそれが見ていてゾッとさせられたのです。
今作もそういうことを想起させるような路線は概ね引き継がれていて、ささやかながらも平和な生活を得ていた人がふとしたことから道を踏み外してしまう怖さが描かれています。細々と日々の生活を送っていた女性がホストにハマってお金を貢ぎ、求められるままに貢ぐお金欲しさに風俗やAVに出て稼ぐようになるという話は古典的と言っていいほどありふれたもののようですが、あらためてその過程をじっくりと見てみると誰もがこのような過ちを犯してもおかしくないと思える怖さがあります。
「借金してまで/体を売ってまでお金を貢いだ女性がバカなんだ」というのは簡単ですが、でもそうやって非難している人だってちょっとしたきっかけ次第では同じようにバカだと言われるようなことをせざるをえなくなっていた可能性があることを否定することはできません。そういった理不尽極まりない形で不幸に片足を突っ込まざるを得ないことと向き合い、いざというときには我がこととして受け入れざるを得ないんだという覚悟をもつことを迫られる怖さがこの作品にはあります。
お金がこの世のすべてではないけれど、でもお金のないことでみじめで悲惨な思いをすることはあるんですよね。
@TOHOシネマズ宇都宮で鑑賞
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