「ジョバンニの島」見たよ


1945年、自然豊かな色丹島。父や祖父と楽しく暮らす、10歳の純平と7歳になる弟の寛太。しかし第2次世界大戦での敗戦と共に穏やかな日々は終わりを告げる。ソ連軍が島を占領し、島の人びとの住み家は奪われてしまったのだ。それでも次第に心を開きあう、両国の子どもたち。そして純平は、あるロシア人少女・ターニャに恋心を抱く。だが、島の防衛隊長である父はシベリアの収容所に送られ、兄弟は極寒の地、樺太へ――。

『ジョバンニの島』作品情報 | cinemacafe.net


MOVIX宇都宮で観てきました。

第二次世界大戦直後に島をソ連に占拠されてしまった北方領土のひとつの島の人たちの姿を描いた作品でしたが、予想外に*1たいへんよくてとても気に入りました。情景の美しさやひと時の幸せはその後訪れる悲しい出来事を際立たせるエッセンスとなっていて、つよく感情を煽り立てるようなシーンはないのですが観ながらすごくグッとくるところが多かったです。


この作品でとりわけよかったのが、純平たちとターニャが仲良くなっていっしょに過ごす一連のシークエンス。

島を制圧した側とされた側、家を乗っ取った側と乗っ取られた側という立場的には敵対する者同士であるにも関わらず、子どもにとってはそういった立場の違いや利害の衝突があるということよりも、一人の人間同士として心惹かれてしまいそれを抑えることができない素直さに甘酸っぱさを感じました。

言葉が通じなくても伝えたい気持ちをぶつけることで心を通わせていくところはとても微笑ましく、そして楽しく過ごした毎日はあまりに美しくて、この一瞬が永遠に続けばいいのにと思わずにはいられませんでした。



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*1:と書くと失礼ですが