「太陽の坐る場所」読んだよ


太陽の坐る場所 (文春文庫)

太陽の坐る場所 (文春文庫)

高校卒業から十年。元同級生たちの話題は、人気女優となったキョウコのこと。クラス会に欠席を続ける彼女を呼び出そうと、それぞれの思惑を胸に画策する男女たちだが、一人また一人と連絡を絶ってゆく。あの頃の出来事が原因なのか…?教室内の悪意や痛み、十年後の葛藤、挫折そして希望を鮮やかに描く。

http://www.amazon.co.jp/dp/4167817012


本作はとある高校に通っていた5人の高校時代とその10年後を描いた群像劇でしたが、期待していた以上におもしろかったです。
わたし自身は高校を舞台にした物語も群像劇も大好きなので多少は過大評価している点もあるかも知れませんが、そのジャンルが好きという点を差し引いたとしても余りあるくらい非常によい作品でした。

設定や人物描写がとても丁寧なので個人個人が区別しやすく読みやすかったし、それぞれのキャラクターや発言にリアリティが詰まっていて嘘っぽさや作り話っぽさが微塵も感じられません。また物語の構成も巧妙かつ緻密に組み立てられていてこれはもういう事なしの傑作といっていいくらいすばらしい作品でした。

読み手の思い込みをうまく突いてみせた演出もたいへんすばらしかったし、読み応え十分の傑作です。


以前読んだ「ツナグ」がとてもおもしろかったので、著者である辻村深月さんの別の作品も読んでみたくなって手を出してみましたが、こちらも非常におもしろかったです。どっちも甲乙つけがたいくらい好きだな。


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