香港が誇る伝説のアクションスター、ブルー・スリー。世界中でいまもなお愛されて止まない彼が、唯一教えを受けた男がいた…。それが武術家、イップ・マン。中国武術の一派“詠春拳”を教え、何百万人もの弟子を持つ武術の達人の知られざる物語とは――。
『グランド・マスター』作品情報 | cinemacafe.net
TOHOシネマズ宇都宮にて。
アジア映画が大好きなマコ*1とひさしぶりにいっしょに観てきました。
劇場で予告を観たりポスターなどをながめて漠然と抱いていたこの作品の内容は「いろんな流派のカンフーマスター達が入り乱れて一番を決めるために戦う天下一武道会」的なものでした。おそらく「どれだけ愛を失えば、頂点に立てるのか。」というあおり文句が一番その想像を助長したのではないかと思うのですが、じっさいに観てみたらそういった話ではなく、葉問の半生を中心に組み立てられた物語でして半分くらいはイップマンと被っている内容でした。
全体的に史実をとても大事にしているような印象を受けましたしそれはそれでいいのですが、もっとはっちゃけたアクション映画を期待していたわたしにはやや物足りなさをおぼえる作品でした。強い人同士が全力で戦うところがもっともっと観たかったです。
たとえば八極拳の宗師であるカミソリは、作品には出てくるものの他の登場人物との絡みがほとんどなくてすごい残念でした。
あんなに強そうなんだから、葉問や馬三と戦ったらどちらが勝つにしてもすごい盛り上がったんじゃないかと思うんですが、これがおどろくほど他のキャラクターから独立したエピソードばかりが描かれます。あえてこの作品で彼の存在を描くのであれば、何かしら物語全体に影響を与える立ち位置として登場させて欲しかったです。
カミソリの出てくるエピソードは全体的に必然性に欠けているうえに、どれも唐突で首をかしげるような内容だったと思うのでこれであれば個人的にはなくてもよかったかなと感じました。ちょっともったいなかった。
あとはこの作品におけるチャン・ツィイーの美しさは評する言葉がないくらいよかったです。
彼女の出演作品はゆいいつ「ソフィーの復讐」だけ見たことがあるのですが、コメディテイストな作品で見せる彼女の演技もたいへんよかったですが、本作品のようなかたくなに信念を貫く強い女性としての彼女もまたひじょうに魅力的に感じられました。
彼女にだったらぶっ飛ばされてm(以下略)
一方、映像面はとてもわたし好みというか、非常にスタイリッシュで美しいシーンが多くてグッときました。作品全体をとおして幾分スローモーションを多用し過ぎな気もしましたが、あれはあれで作品を印象付ける使い方だったようにも思えるしかっこよかったのでまあいいかなと。
戦っている人たちの強さを表現するために、さまざまなものが破壊される瞬間をスローで見せるというのはうまいなと思いました。
あと前にもどこかで書いたのですが、トニー・レオンが内村光良(ウッチャン)にあまりに似ているように見えまして、途中からもうウッチャンを見ているような気がしてしょうがありませんでした。普段はそんなに似ているとは思わないのですが、彼の眉毛が太くなってくるとどんどんウッチャン寄りになってくる気がします。
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*1:妻