「君と歩く世界」見たよ


南仏アンティーブの観光名所マリンランドのシャチ調教師ステファニーを突然襲った事故は、彼女の人生を一変させた。満場の拍手を浴びながら、シャチの華麗なショーを指揮している最中にステージが崩壊し、両脚を失う大怪我を負ってしまったのだ。失意のどん底に沈んだステファニーの心を開かせたのは、彼女自身にとっても意外な人物だった。ナイトクラブの元用心棒で、今は夜警の仕事をしているシングルファーザー、アリは他の人々のように同情心でステファニーに接するのではなく、両脚がないことを知りながら彼女を海の中へ導いていく。やがてステファニーは、どこか謎めいていて獣のように野性的なアリとの触れ合いを重ねるうちに、いつしか生きる希望を取り戻し、輝かしい未来へと歩き出していくのだった…。

『君と歩く世界』作品情報 | cinemacafe.net


MOVIX宇都宮で観てきました。


映画が撮られ始めて100年以上が経つそうですが、その積み重ねの結果世の中には既にたくさんの映画があります。その本数がどのくらいになるのかはわかりませんが、人ひとりの一生程度の時間ではおそらくそのすべてを観ることはできないくらいのボリュームであることはなんとなく想像できます。しかもいまもまだ増え続けているわけですからもうこの世の映画を全部観てやろうなんてことはかなわぬ夢であることに変わりはありません。


さて。

そんな数多の作品の中から、「今日はこれを観よう」と選択するきっかけは人それぞれさまざまあるかと思います。
ある人はキャスト、ある人は監督、ある人はストーリー、場合によってはちょうどいい上映時間だったり、ちょうど安く借りられる作品であるなど、意識している・してないにかかわらず、その作品を観たいという気持ちを最大限に後押ししてくれる要素が必ずなにかしらあってその作品を選んでいるのだと思います。

ではわたしは何に惹かれることが多いのかと考えてみると、キャストや監督、ストーリーや予告などいろいろとありますが、中でもタイトルに惹かれるかどうかというのがひとつの大きなファクターになることが多いです。ここで「タイトルに惹かれるのか?」というのはざっくりいうと「タイトルを文字としてながめてみたときにグッとくるのかどうか」ということと同義です。


その視点で本作のタイトル「君と歩く世界」を眺めてみるとまさにこれはグッとくるタイトルでして、なにがなくとも観てみたくなる引力があります。
おそらくタイトルに世界という単語が入っているのがよいのだと思いますが、これほど魅力的なタイトルは「世界はときどきうつくしい」と「世界侵略:ロサンゼルス決戦」以来の衝撃です。


というわけで、タイトルに惹かれて観に行った本作ですが、見どころと言えるシーンや好きなシーンがいくつもあるよい作品でしたが、作品全体の印象としてはあまりよいものではありませんでした。ステキなシーンをいくつも提示しながらも、それらがうまく結びついて感じられずバラバラなエピソードを見せられているだけのように感じてしまいました。


本作には印象的な映像や演出、たとえば義足をつけたステファニーが自らの足を奪ったシャチとガラス越しに対面するシーンや凍った湖の上でのシーンなど鮮烈な印象を残す場面が多くあってそこはたいへん気に入りました。ただ、わたしにはそれらがひとつの物語を作り上げているようにはみえなくて、個々の物語を羅列しているだけのようにしか感じられなかったのです。


すごくいい作品だっただけに、もうちょっと心に余裕のあるときに観に行った方がよかったかなと反省しました。


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