自由の国・アメリカの大都会、ニューヨークで身元不明となってしまった、世界で一番キケンな独裁者が大暴れ! 何者かの陰謀でトレードマークのヒゲを剃られ、浮浪者同然となってしまった“将軍様”ことワディヤ共和国の独裁者・アラジーン。スーパーの店員として息を潜める将軍様の、前代未聞の大逆襲がいま、始まる!
『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』作品情報 | cinemacafe.net
TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。
サシャ・バロン・コーエンと言えば、今年3月に公開された「ヒューゴの不思議な発明」での警官役....よりも、4年前に観た「ボラット」を思い出してしまうくらい、初めて彼を見たあの作品から受けたインパクトの強さには計り知れないものがあります。劇場であんな過激な笑いを提供している作品を見たのは初めてだったんですよね。
本作「ディクテーター」も路線的にはボラットのようなブラックユーモア盛りだくさんのコメディでして、笑ってはいけないと思いながらもブラックなジョークにクスクスと笑わずにはいられない背徳心をコチョコチョとくすぐられるおもしろい作品でした。
出だしでいきなり金正日の死を悼んだり、ロケットの先端をとがらせろという命令に背いた科学者をすぐに処刑させるなど、のっけからアクセル全開で独裁者のいかれっぷりを描いていてそのぶっ飛ばしっぷりにいたく感心したのですが、その後は割と穏やかに物語は推移していき、後半になると似たような展開が続き過ぎたためにちょっと眠くなってしまうという事件まで起きてしまいました。
つまりそれだけ落ち着いた作品に仕上がっていたということですが(言い訳)、前半の勢いだけでは最後までおもしろさを持続できなかったとも言えるわけでして(責任転嫁)その点はちょっと残念でした。
ただ、本作は独裁国家のひどさを笑いとともに描きながらも、でもアメリカや他の国だってそれなりにおかしいしどっちの国に住むのが幸せかなんてわかんないんじゃないの?という問題提起をしていたようにも感じられました。独裁国家と聞くと、容易に人権を蹂躙したり、弾圧に苦しむ人々がいるというイメージがありましたが、マイナリティが生きにくいのはどこの国でもおなじなんだなと感じました。
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