「アナザー Another」見たよ


山間の地方都市・夜見山市の中学校に転入することになった榊原恒一(山崎賢人)。クラスメイトや担任の先生からまるで存在しないかのように扱われている眼帯の美少女・見崎鳴(橋本愛)に出会い、クラスメイトと親族の間で次々に起こる不吉な出来事に巻き込まれていく――。各方面で絶賛を浴びた綾辻行人の同名小説を『オトシモノ』の古澤健監督が映画化した学園ホラー。

『アナザー Another』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。


原作は未読でしたが、この手の学校を舞台にした話はもともと大好きですし、オカルトチックな展開や思わずニヤッとしてしまう死亡シーンのできのよさは私好みでとてもよかったです。


転校した先の中学校で出会った、クラスメイトに無視され続けている少女の謎を追いかけていたらいろんな人が死んでしまって自分も無視されるようになったでござるというお話。


ストーリーはユニークでやや込み入ってはいるものの、くっきりと輪郭が見えるくらいに分かりやすく丁寧に語られていて理解が及ばない部分はありませんでしたし、クラスメイトやその親族がどんどん死んでいくシーンの死にざまの多様さとその死ぬ瞬間の見せ方のおもしろさはとてもよかったです。

死にざまで特に好きなのは、クラスメイトの一人がワイヤーにひっかかって首チョンパするシーンでして、あの構図とポロリと首が落ちて転がる画のすばらしさは観ていて思わず声が出そうになるほどよかったです。他ではなかなか観られないシーン!っていう感じがしました。


ただ、そういったストーリーや演出のいい部分がたくさん感じられた一方で、逆にまったくおもしろいと思えない部分もたくさんありましてその点はすごく残念でした。たとえば主演の山崎君をはじめとした多数のキャストの演技も少々残念なレベルでして、いつもであれば演技のうまさはさほど気にせずに観るようにしているのですがこの作品についてはその拙さが目に余る印象を残しました。
# 演技力なのか演出の問題なのかはちょっと図りかねたのですが、何となく演技力のような気が。


これ以外にも、最初の方ではまるで幽霊のように神出鬼没に現れていた見崎でしたが、後半になるにつれて単に変わっているだけの普通の女の子に成り下がってしまったために話が進めば進むほど前半部分の見崎の行動の不可解さの謎が深まるようになっていたのも何だかなと。

もちろん原作ありきなので調整しがたい部分もあってしょうがないとは思うのですが、見崎のキャラクターが作品全体で観るとぶれているようにも見えるわけで、せめて違和感なく説得力のある範囲におさめる工夫があってもよかったような気がしました。


あとはホラー映画なのにまったく怖くないというのも大きな欠点ですね...。

冒頭で書いたとおり、映像面では光る部分が多くありましたしすごく好きなんですがいかんせんまったく怖くないんですよ。もうびっくりするくらいに恐怖の演出が功を奏してなくて私は怖いと感じるシーンがひとつもありませんでした。

ホラーが怖くないって実は根本的な課題のような気もしますが、ホラーっぽいけどホラーじゃないというのはある意味では鑑賞者の間口を広げる工夫かなと思ったりしました。幅広い層やホラーの苦手な人にも楽しんでもらうため....とか考えたのですがおそらく違うんでしょうし、実際にそれが違うというのは私も薄々感じてはいるのですが...。


それでも、作品全体でみればすごく好きな作品だなと感じましたし、DVDが出たらまた観たいなと感じました。
というかDVD欲しい!(気が早い)



公式サイトはこちら