「ワン・デイ 23年のラブストーリー」見たよ


真面目でしっかり者のエマ(アン・ハサウェイ)と、自由奔放で恋多き男・デクスター(ジム・スタージェス)。初めて会話を交わした2人は、惹かれあうものを感じながら、恋人ではなく友達の関係を選ぶ。エマは心の奥にデクスターへの想いを秘めて、親友として毎年“7月15日”を過ごしていく。一緒に旅行に行ってみたり、恋の悩みを相談したり、大喧嘩したり。そんなある年の“7月15日”、エマはデクスターから違う相手との結婚を告げられ――。

『ワン・デイ 23年のラブストーリー』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮で観てきました。


互いに強く惹かれあいながらも、つかず離れずの距離の付き合いを続けていたある男女の23年間を描いた作品でしたがとてもよかったです。この高評価は私が大のアン・ハサウェイ好きであることと無関係ではないでしょうし、仮にエマ役がアン・ハサウェイでなければ評価はもう少し違ったものになっただろうと思います。


ですが、そういったキャストへの思い入れとは別の次元で、23年間という長い時間に渡る物語を7/15という特定の日だけにスポットライトをあてて組み立てたことによってエマとデクスターに関わる変化をマクロとミクロな視点それぞれ見せてくれたところがすばらしいと感じたのです。


つまり、時間の経過にともなってエマとデクスターそれぞれの生活や仕事といった取り巻く環境が変化していく様子を感じることができた一方で、それに加えてふたりの関係の変化をとおして大局的な視点からの変化の様子を感じることができたのです。


これはもう原作の「毎年毎年の7月15日を描く」という1アイディアと、それを見事に映像化してみせるという合わせ技一本的な作品だと感じました。


さらに、わたしがこの作品につよく惹かれたのは、エマという女性に「自分と被る部分」や「こうなりたい部分」を見つけたからじゃないかと思います。


エマには「私が認識している人としての弱い部分」と符合するところがあるように感じられる瞬間があるのですが、それだけではなく「一見平凡そうに見えるけど実は才能を隠し持っている」という私がこういう人になりたいと憧れをいだく姿も併せ持っています。

さらに「付き合っているわけではないけど何かあった時にはそばにいてほしい相手」という、付かず離れずの関係の心地よさがとてもよく表現されていて、そこはすごくいいなと感じました。
これはうまく説明できるかどうか自信がないのですが、ある特定の他者との関係が揺るぎないものになることは基本的にとてもうれしいことなのですが、一方ではそれがあまりに硬直的なものである場合には私はそれが怖いと感じたりするのです。

だから二人の関係のゆるさというか、適度な距離感を保ちながら友人関係を続ける二人がちょっとうらやましいと思ったのでした。


そういった共感を呼ぶ部分と羨望をあおる部分をもつエマというキャラクターや人間関係が本作一番の魅力だったと思います。






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