貞子にいいように利用されないための心構え

(注意)
本エントリーにはJAROに通報されそうな内容も混じっているので、嘘を嘘と見抜くのが苦手な方のご利用はご遠慮ください。


先日、twitterで5月12日から劇場公開される「貞子3D」に関するおそろしい情報を教えていただきました。



まさか...と思って公式サイトを調べてみると「最新情報」のところにその情報が記載されていました。


拡大してみると...



クラウド内を自由に移動する貞子」の文字が...。

たしかにテレビよりもインターネットの方が容易にメディア間の移動ができそうな気はしますし、さらに移動先も幅広く選べてたいへん便利そうです。特にスマートフォンがこれだけ普及している現代においては、テレビよりも動画サイトなどの方が恐怖の伝染には向いてそうです。
わたしが貞子だったとしてもクラウドを利用するだろうなと思います。

それにしても、ここ数年あちこちで「これからはクラウドの時代だ」と声高に喧伝されてきましたが、まさか貞子までクラウド化されているとは知らなかったです...。その着目のよさと大胆さに驚き、そして感心させられたわけですが、一方ではインターネットを毎日毎晩利用している一利用者として考えると、いま急に画面から貞子が出てくるようになられても困るなと思います。


ブログを書いたり、twitterをしているときだったらまだいいんですが、わたしにもいろいろな事情というかシチュエーションがあるわけで、例えばちょっと人に見られたくないような動画サイトを見ているときに出てきてしまっては、さすがの貞子も気まずいと思うんですよね。お互いが嫌な思いをしないためにも貞子が好き勝手入ってこれないようにしておくべきだと思いますし、そのためにはどうしたらいいのか考えてみました。

1. まずは調査

できるだけ貞子と関わらずに済むためにはどうしたらいいのか。
それを知るために、まずは貞子がどういう環境であれば動作してモニターから出てこれるのかを調査しました。調査方法はいろいろと思いついたのですが、開発元に問い合わせるという一番確実な方法をとることにしました。公式サイトに連絡先が書いてあったので連絡してみると、いくつかについてはNDAを結ばないと教えられないと言われましたが、概ね聞きたいことに回答をいただくことができました。

確認出来た内容は以下のとおりです。

項目 内容
貞子動作対象OS(PC,サーバー) Windows(XP/2003以降),Mac OS X(v10.4以降)*1
貞子動作対象OS(モバイル) iOS(5.1以降), Android 2.3以降 *2
貞子動作可能CPU x86/ARMS*3
貞子動作可能メモリ 最低:512MB 推奨:2GB以上
貞子の仮想化対応状況 VMware vSphere 5.0 , Hyper-V2.0(それ以外は未検証)
貞子が移動できる通信プロトコル http/https/ftp/smtp*4
貞子開発言語 秘密(要NDA[おそらくJava])
貞子対応ブラウザ IE 8以上, FireFox 5.1以上, (Google ChromeOperaは未検証)
貞子対応言語 日本語, 英語(ハングル語、中国語は対応予定)
暗号化 通信で利用するデータはすべて暗号化済み
貞子のビジネスモデル 秘密(要NDA[広告型ではないとのこと])


OSもハードウェアも比較的新しい環境を対象にしているようで、古い環境では動作しないようです。

そしてこの聞き取りをしている途中で、つい私がviが大好きなんですよとこぼしたところ「うちは全員vim使ってるんですよー」とうれしそうにおっしゃっていました。たしかに奔放でまとわりつくような貞子のアグレッシブな動きや行動力は、viキーバインドで操作されるキーカーソルの動きをほうふつとさせられます(嘘)。

そんな話で盛り上がっていたら「なんだったらいっしょに開発しませんか」とお誘いいただきまして、貞子の開発に携わったらおもしろそうだななんて思ったりもしましたが、勤務地をうかがったらあまりに遠かったため丁重にお断りしました。せめて日本だったらなあ...。

作っているものの内容はともかく、作っている人たちは意外にもいい人たちでした。


ではこれらの集めた情報からどういった対応が考えられるのかを検討し、クライアントサイドでできる対応について考えてみました。
# サーバーサイドの対処については後ほどまとめます

2. クライアントサイドでできる対処方法

クライアントサイドで出来る対応は以下の6点です。

(1) 対象外のOSを使う

古いOSには対応していないそうなので、Windows2000以前のOSや、MacOS9、Android1.x系を使うのも手かと思います。
ただし、動作確認をしていないだけで動いてしまう可能性は往々にしてあります。ご注意ください。

(2) 古いブラウザを使う

貞子が対応しているのがIE8以降、FireFox5.1以降だそうなので、IE6や7、もしくはバージョンがビョンビョンあがる前のFireFoxを使うことで侵入を防ぐことができそうです。もしくはChromeOperanetscapemosaicといった動作対象外のブラウザを使うのもよい対抗手段です。

ただし、これもOSと同じく動作確認されていないだけで動いてしまうおそれがありますのでご注意ください。

(3) Firewallでhttp/https(80/443ポート)のインバウンド/アウトバウンドを通さないようにする

要はインターネットにつなぐなということでして、これができればほぼ貞子とは無縁の生活を送ることができるはずです。あと心配なのはメールくらいなので、メールを止めるとより完璧になります。


ただ、これをするくらいだったらパソコンやスマートフォンなんて使わずにベッドに寝転がって本でも読んでればいいと思います。

(4) ブラウザのセキュリティを強化する

最終的に画面から出てくるという貞子の行動は、つまりローカルリソースへのアクセスが発生することを意味しています。極力ローカルリソースへのアクセスをふせぐために、javascriptをオフにしたり、スクリプトActiveXでローカルリソースにアクセスされないようにするなど、セキュリティを強化しておくのはよい対策であると思います。


ただし、これをやりすぎるとインタラクティブなサイトを楽しめないという弱点がありますし、そもそもそういった対策をしても貞子が侵入してくる可能性も否定できません。

(5) 通信回線はINS/ISDNで我慢する

これは推測なのですが、貞子はかなりの通信帯域を利用するのではないかと考えています。

(理由)

    • 比較的新しい環境でしか動作しない
    • ストリーミング配信や動画サイトによく出没する


そのため、ネットワークは狭い帯域しか使えないようにすることで貞子が出てくるまでの時間を稼ぐことができるのではないかと思います。


ただし、これをやると普段からインターネットがつながりにくい状況になり、画像や動画の多いサイト(例えばアダルトサイト)はいっさい観ることができなくなりますのでご注意ください。

(6) 最新版のセキュリティソフトを導入する

これは非常に効果的な対応方法ですが、以下の問題点があります。

    1. 有償である
    2. 貞子がアップデートした場合には対応したソフトウェアが提供されるまではこの方法では対応できない


先日マイクロソフトが貞子対応版のForefrontを出すと明言したとかしないとか、おそらくしてないと思うのですが、今後はセキュリティソフトを提供する各社がこぞって貞子対応版を販売し始める可能性を誰も否定できません。

貞子対応版のセキュリティソフトウェアが出てくれたら信頼できる企業に対応をアウトソース出来るわけなのでそれはとても心強いのですが、突発的にアップデートした貞子が発生するリスクを考えると、これだけではやや心もとない面もあります。基本的に他の方法との併用が前提の方法です。

3. まとめ

というわけで、クラウド化された貞子をクライアントサイドのみの対応で締め出すにはかなり苦労することがわかりました。

「そこまでやるのもめんどくさいし、それだったらいっそ貞子が出てきてもいいわ...」と思うのか、それとも「なんとしてでも貞子と関わりたくない!」と思うのかは人それぞれでしょうが、ぜひこのエントリーを参考に、クラウド時代における貞子との付き合い方について一考いただければ幸いです。ちなみにわたしは前者の出てきてもいい派になりました....なんて超怖がりなんで嘘ですよ。(おしまい)

*1:Linux,Unix系OSについては別途問い合わせが必要で、OS/2は対象外

*2:Windows PhoneとBlackBerryは対象外です

*3:AMD,x64は近日中にサポート予定

*4:貞子がアップデートすれば追加される可能性もあるとのこと