のぞみ地所の社員、小町圭(松山ケンイチ)とコダマ鉄工所の二代目、小玉健太(瑛太)はともに鉄道を愛する者同士。ふとしたきっかけで出会った2人は、すぐに仲良くなった。住まいにもトレインビュー(鉄道が見える景色)を追求する小町は、コダマ鉄工所の寮に入るが、やがて転勤で九州支社に行くことになった。九州には、のぞみ地所がなかなか口説けない大手企業の社長(ピエール瀧)がいたが、鉄道ファンだったことから小町や小玉と意気投合し、事態は好転するが、恋のほうは趣味や仕事のようにはうまくいかず。途方に暮れていた2人だが…。
『僕達急行 A列車で行こう』作品情報 | cinemacafe.net
宇都宮ヒカリ座で観てきました。
わたしは電車に乗るのが好きで、宇都宮から秋田まで帰省するときにも13時間くらいかけて鈍行で帰ったりしたり、目的もなく電車に乗って降りたくなったところで降りてそのまま帰るなんてことをよくやっていました。
ですが、わたしはあらゆる移動手段の中で電車が一番好きだというだけで、電車に詳しいというわけではぜんぜんありません。機体やエンジンのことは全然知らないし、路線のこともまったく分かりません。男鹿線と奥羽本線と東北本線、宇都宮線に羽越本線、陸羽東線や陸羽西線、五能線、磐越東線、磐越西線、水郡線に両毛線、常磐線、日光線、烏山線、高崎線といった生活圏内+αくらいの路線しか知りません。
さらに特定の電車や路線に憧れて遠征するなんてこともなくて、つまりはわたしの電車が好きというレベルは「電車に乗るのは何となく好き」という程度だということを言いたいわけですが、本作はそんなぬるい電車好きのわたしが観ても楽しめる電車映画でした。
たとえば登場人物の名前や会社名が電車や新幹線の名前というのは私でもわかるネタでしたので、新しい人が出てくるたびにその無理やり感に笑ってしまったし、さらにほとんどのシーンに何かしらの形で電車が写っていてその強引過ぎるねじ込みっぷりにもやはり笑ってしまいました*1。
あとはストーリーはもうあってないようなものというか、リアリティ度外視の取ってつけたような内容でして個人的にはファンタジーと言った方がいいくらい現実味のないフワフワした話だなという印象を受けました。ですが、じゃあそこはよくないのか?というと全然そんなことはなくて、非現実感で満たされているからこそ日常を忘れて緊張感なく楽しめる作品だったと思います。
鈍行に乗ってのんびりと旅している時のような、そんな気分になれる作品でした。
公式サイトはこちら
*1:それと観終わってから教えてもらったのですが、細かく電車に関する小ネタが織り交ぜられていたようで、そのあたりは電車が好きな人にはそれなりに見どころのある作品だったようです