「たった1分でうちとけ、30分以上会話がつづく話し方」読んだよ

たった1分でうちとけ、30分以上会話がつづく話し方―“初対面の女王”が明かす

「最初のひと言」が言えないあなたへ、106万人のファーストクラスVIP・乗客と接したCAの実践ノウハウ!営業、接客、面接、合コン、パーティ、どのシーンでも使える。

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実際に会ったことがある方は分かると思いますが、私はものすごく緊張する性質でして初めて会う人とはなかなかうまく話せません。緊張し過ぎてしゃべるのを忘れて遠いところを見つめてしまったり、口を開いたら開いたでよくわからないことを口走って相手を困惑させたりと、なかなか思ったようには接することができません。

これは自信の無さのあらわれなのか、相手への警戒心なのかわかりませんが、とにかく始めて会う人とはうまく話せなくて、いつも別れてから「あー、またうまく話せなかったな...」としょんぼりしてばかりです。

そんなわけで初対面でも普通に話せるようになりたいと思って本書を手に取ってみましたが、残念ながらわたしが期待していたような内容ではありませんでした。

たとえば、最初にちょっとドジなところを見せておいて相手に等身大の自分を見せるという「ちょいアホの法則」なんてのは、いったいどこで使えというのか？というエピソードばかりでしたし、仮にそういう偶然を活かせという話だとしたら最初から偶然に頼った話なんかするなとツッコみたくなるんですよ。

そもそも等身大の自分を見せろって言われたってですね、初めて会う人にまったく気負わずに会えるくらいだったら最初からこんな本を手にしていないわけで、そのあたり心がけじゃなくてもっと具体的なところを書いて欲しかったです。

そんなハイレベルな要求を突き付けてきたかと思いきや「相槌は打った方がいい」とか「聞く姿勢が大事」なんていう急に当たり前すぎていまさら？的なことも書いているんですよ。そういう初歩的なところも書くんだったら、最初から低いレベルから要求レベルを少しずつあげて書いて欲しいのですが、なんか並びがデコボコとしていて読みにくかったです。

そんなわけで全体的にどういう層をターゲットにして書いているのかがすごく分かりにくくて読んでいながらまったく集中できませんでした。もうちょっと想定する読み手の知りたい段階を分けてから書けばよかったんじゃないかなと思いました。

あとは「ちょいアホの法則」とか「快話」みたいな造語がいちいちうっとうしくて、出てくるたびにイラッとしてしまいまして、言葉のチョイスが決定的に合わないのも完全にアウトでした。
興味を引かない文章や作り話のようだったり全然おもしろくないエピソードの数々は読んでいるだけで苦痛という..。

結局、最後まで読んで記憶に残った印象としては「ファーストクラスの常連をもちあげてばかりのTIPS集」というものでして、読まなきゃよかったとしみじみ思ってしまいました。

とりあえずタイトルにあるような「本当に初対面の人と話すのに苦労している人」の手助けになるようなものではなかったというのがわたしの率直な感想でした。