作家志望のエディ・モーラ(ブラッドリー・クーパー)は、出版契約を交わしたにもかかわらず原稿が一行も書けずにいた。酒に溺れ、恋人のリンディ(アビー・コーニッシュ)にも別れを告げられた彼は、絶望を抱え街をさまよっていた。そこで元妻・メリッサの弟・ヴァーノン(ジョニー・ホイットワース)と偶然再会し、開発されたばかりの新薬「NZT48」を渡される。その薬は、通常は20パーセントしか使われていない人間の脳を100パーセント活性化させるものだという。半信半疑で服用したエディだったが、信じられないことに一晩で傑作小説を書き上げてしまう。再び薬をもらおうとするエディだったが、彼を待っていたのは荒らされた部屋と、新薬を奪いに来た何者かによって殺されたヴァーノンの死体だった…。
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/23976/
フォーラム那須塩原で観てきました。
冴えない小説家の男性が、怪しげな薬で脳を活性化して一攫千金を目指すけど...というお話。
この作品でも出てくるのですが「人間の脳はふだんは20%しか使われていない」という言説は結構あちこちで出てくるものでして、たとえば映画に限らず日常会話でもよく耳にする類のものです。そしてそのことが事実なのかどうかはさておいても、「脳が20%しか使われていない」という表現が暗に示すとおり、それはもったいないことであるというニュアンスで語られることがほとんどなのです。
さて。
話は少し変わりますがわたしは走るのが好きでして、週に3,4日、毎回10kmくらいを走っています*1。日常的に走るようになって初めて気付いたのは、長い距離を走りきるコツはたったひとつ「同じペースで走り続けること」だということであり、逆に言えばそのペースを崩してしまうとわずかな距離であっても途端に走れなくなるということです。
具体的な例を挙げると、わたしが10kmを走るときはいつも1km/4分〜5分くらいのペースで走っています。たまにLSDをするときは6分くらいのペースで走りますが、とにかくそのくらいのペースで走れば10kmを無理なく走りきることができるのですが、じゃあ距離を半分の5kmにしてペースをグイッとあげて1km/3分くらいで走ろうとしてもこれがなかなか走れないんですね。
このことから学んだのは、長期的にわたって結果を出し続けるためにはいつも力を100%出し続けるなんてことはしない方がよいということです。人が全力疾走できる距離は約40m程度と言われていますが、走ることに限らず、どんなことでも全力を出せる時間・期間なんて本当に短いんですよ*2。
話が飛んでしまいましたが、本作では脳を100%活性化させる薬を飲んだエディは頭が冴えて本をあっという間に書き上げたり、投資で大儲けするのですが、その副作用として脳は異常をきたし、日常生活を送ることさえ困難になってしまうのです。
このことが表現しているのは、脳は決してさぼって20%しか使わないわけではなく長期的な展望のもとにリミッター付に設計されているということなんですよね。だからリミットを超えたアウトプットを続けた代償を払わなければならないということであり、本作は本来あるべきリミッターが無くなることの怖さをうまく描いていたなと感心しました。
そしてこの手の話にしてはめずらしくハッピーな最後を迎えたことにとても気をよくしたのでした。
ちなみに、やっと映画館で観られたー!と喜んでいたら「もうすぐBD/DVDが出るよ」ということを教えていただきました。先日同じフォーラム那須塩原で観た「ステイ・フレンズ」もそうでしたが、上映してくれるのは嬉しいのですが出来ればもうちょっと早く上映してくれると嬉しいなと思ったりします。
まあ、どうせDVDだったら観ないのであくまで気持ちの問題なんですけどね...。
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