「第7鉱区」見たよ


済州島南方に位置する、日韓共同開発区域である第7鉱区。その海底で不慮の事故が起こり、日本探査員が失踪してしまう。日本政府はこれを機にボーリング計画を中断を決める。しかし、その前に石油を掘り出したい韓国政府は、韓国探査員たちをボーリング船に戻すが、船員たちが次々と謎の死を遂げていく…。船員たちは、恐怖に怯えるが、船から脱出することもできない。そして、彼らを襲っていたのは、水槽で育てていた“未確認海底生物体”であること知る――。

『第7鉱区』作品情報 | cinemacafe.net

(注意)
本エントリーはネタバレを気にせず書いたので、未見の方はご注意ください。


TOHOシネマズ宇都宮にて。


予告は観ていないのですが、映画館に置いてあったチラシをみて感じていたとおり映像もお話もチープな作品でした。安っぽいCG映像と中身が濃いとはけして言えないないストーリー、さらには回収する気のない投げっぱなしジャーマンな伏線や魅力に乏しい登場人物などなど、個々の要素だけ観ると褒めるところがほとんど見当たらない(ヒョンジョンがかわいいくらい)としか言いようのない微妙さ。
オチもまたしょうもないというかなんというか...。


ところが、ここまで散々に書いておいてなんですがわたしはこの作品がすごくおもしろかったんですよ。正直、もう一回観てもいいなと思うくらい楽しんじゃったんです。


ヘリコプターが油田にむかって飛んでいくシーンのへなちょこっぷりには「はぁ...」と声付きでため息が出るくらい脱力させられたし、この作品唯一のキュートガール、ヒョンジョンが死んじゃったときにはもう帰ろうかと思うくらいがっかりしたのですが、でもそういうがっかり感も含めておもしろかったんですよね。
採掘機が最後の武器になるだろうというのは誰が見ても分かるくらいベタなのでわかりやすい作品なのかと思っていたら、いかにもなにかしでかしそうな隊長が実はただのヘタレでまっさきに逃げ出すというたいへん意外な展開をみせてくれまして、読めるようで読めない不思議なバランスに惹きつけられてしまったんですね。


いやいや、ただなにも考えてないだけなんじゃないかという意見もよくわかるのですが、わたしは「意外性に富んだ作品だ」とあえて言いたいのです。そう思った方がぜったいに楽しめるじゃないですか。


あとは画的におもしろいなと感じるところもいくつかありまして、たとえば主人公の彼氏がモンスターに食べられるシーンなんかすごくよかったです。触手みたいなのにつかまれて散々振りまわされたあげく空にぶん投げられて食いつかれる。これはもう食べられる人間の立場で考えるとどうしようもないというか死んでもしょうがないとあきらめざるを得ない状況でして、その絶望感がたっぷりと感じられる絵がとても印象に残りました。逃げた隊長が殺される直前に、死んだ仲間が海から現れるシーンもそうですが、ところどころグッとくる絵が観られてすごくよかったです。


ちなみに、わたしは公開初日にこれを観に行ったのですが、TOHOシネマズ宇都宮の一番大きな劇場で上映していたにも関わらず、観客はわたしを含めて3人というたいへんかなしい状況でした。

観終えて3人しかいなかったと気付いたときに「こんな作品だし人が入らないのもしょうがないよな...」というあきらめの気持ちと「よくこんな作品をこんなにでかいスクリーンでやってくれたな...」という映画館スタッフへの感謝の気持ちがわいてきて、うれしいようなかなしいような複雑な気分で帰途についたのでした。


と、ここまで感想を書いてから気付いたのですが、この感想の構成が全部「ラスト・ブラッド」の感想とほぼ同じなんですよね...。あまりの被りっぷりがとてもはずかしいのですが、いまさら書き直す気力もないですし、つまりはどちらの作品も同じで「くだらないけどおもしろいんだよ!」ということなんだと自分に言い聞かせながらエントリーをアップすることにします。


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